ここでは、わし座の中で最も明るい星、太陽よりもずっと大きな恒星「アルタイル」の見つけ方について紹介します。
夏の大三角形の一つ、そして、みなさんが七夕でよくご存知の「彦星(ひこぼし)」です。
アルタイルは、極端に速い自転速度から、円がつぶれたユニークな形をしています。
ここでの話が、夜空の特定の領域とアルタイルの隣にある星についても学ぶのに役立つことを願っています。
七夕のひこ星【アルタイル】
アルタイルは、わし座のα星(アルファ星:星座の中で最も明るい星)で、日本では七夕のひこ星として知られています。
一等星で、夜空では、12番目に明るい星です。こと座のベガ、はくちょう座のデネブとともに、夏の大三角形を形成。
地球から約16.7光年離れていると推定されています。
アルタイルはA型主系列星で、太陽の約11倍の明るさを持つスペクトル型なので白っぽい青みがかった色をしています。
太陽よりも大きく、約1.8倍の質量をもちますが、明らかに形が異なります。
私たちの太陽は25日ごとに自転しますが、アルタイルは9時間ごとにはるかに速いスピードで自転するため、丸がつぶれた形をしています。
この星の速い自転により、赤道に沿ってより楕円形になり、極では少し平らになっているのです。
アルタイルの写真からわかったこと
アルタイルは、太陽以外の主系列星において、直接画像を収集できた数少ない恒星の一つです。
直接画像を取得するには、高い観測技術と解像度をもつ望遠鏡が必要とされ、画像からは恒星の表面温度や自転速度など様々な情報を得ることができるようになります。
ここにアルタイルの写真があります。
これがアルタイルの姿です。極域と赤道域の位置関係を示すグリッド線が描かれています。
楕円形をしているのがお分かりいただけると思います。
これはカリフォルニア州ウィルソン山に設置された光学干渉計で撮影されたものです。
アルタイルはその形が大変特殊な星で、私たちから近い位置にあるため、空で際立って目立ちます。
わし座の公式星図
こちらはわし座の公式星図です。
ご覧いただければお分かりいただけると思いますが、アルタイルはこの星座の他の星々の中でも際立って目立っています。
街中でわし座を見つけるのは本当に大変です。
というのも、アルタイルは私が街明かりの中で唯一見ることができる星だったからです。
そのため、わし座を見るなら、暗い空で星空観察をすることをおすすめします。
アルタイルとその周りを囲む2つの星の美しい写真を見つけました。
左側の縦に3つ並んだ星の真ん中がアルタイルで、わしの頭から首にあたる部位です。
この写真が好きなのは、長時間露光の写真なので、天の川銀河の塵やガスが右側に透けて見えるからです。
では、アルタイルとその周りの2つの星を見てみましょう。
アルタイルは白っぽい青い星で、スペクトル型はα星に分類されます。空でとても明るいのは、地球からわずか17光年ほどしか離れていないからです。
名前はアラビア語で「飛ぶわし」を意味する言葉に由来しています。
アルタイルの近くにあるオレンジ色のβ星は、推定460光年離れており、「バランス」を意味するアラビア語「タラゼド」に由来しています。
そして、3つの中で最も暗い星アルシャインは、わずか45光年しか離れていない黄色がかった星です。アルタイルほど近くはありませんが、タラゼドほど遠くもありません。
そこには、3つの星がいつも一緒に一直線になって夏の空にあります。
ひこ星(アルタイル)を探す方法
まずは、わし座とそのアルファ星であるアルタイルを見つける方法を確認しましょう。
この写真では、最も明るい3つの星が夏の大三角と呼ばれるものの一部です。
この夏の大三角形は、アルタイルを見つける主な方法です。
一番上にある最も明るい星はこと座のベガで、夏の大三角で2番目に明るい星(黄色い丸で囲んだ星)がアルタイルです。
3番目に明るい星は、デネブと呼ばれ、はくちょう座として知られる星座の一部です。
最も明るい星を見つけたら、2番目に明るい星を見てください。それがアルタイルです。
わし座の見つけ方
では、わし座がどこにあるか指摘しましょう。
わし座の頭が3つに並んだ星のあたりで、アルタイルはわしの目のようなもので、鳥の首と背骨に両脇に翼のような並びとなっています。
他の星座を指摘すると、こと座とその明るい星ベガ、そして、わし座の明るい星アルタイル、そしてはくちょう座とその明るい星デネブです。
アルタイルを見つける練習をしよう
さて、みなさんはこの夜空の写真からアルタイルを見つけることはできますか?
夏の大三角形は分かりましたか?
この左下がアルタイル、
アルタイルのあるわし座
右下がベガとなります。
周囲の星からわし座を見つける方法
いるか座を手がかりにわし座を見つけるのもよい方法です。
なぜなら、いるか座の4つの星が並んだ小さな平行四辺形、またはダイヤの形は、星が密集していることから見つけやすいからです。
そして、右下がヘラクレス座、右上がりゅう座となります。
ぜひみなさんも周りの星座との位置関係から、アルタイルを探してみてください。
わし座やアルタイルの見つけ方については、以下の動画で見ることができます。