春の星座「かに座」を見つけられたら、あなたは星座探しのエキスパートでしょう。
黄道12星座の一つですが、かに座は暗くて見つけにくいため、数ある星座の中で最も目立たない星座のひとつだといわれています。
しかし、コツをつかめば見つけることはできます。
見つけ方は、まず、ふたご座としし座を見つけること。そして、かに座の中央にある一際目立つ星団を見つけること。
以下に、かに座の見つけ方や他の星座との位置関係、特徴的な星団について見ていきましょう。
かに座とは
まずは、国際天文学連合 (International Astronomical Union)が発表した公式星図から、かに座が空を横切るパターンを見てみましょう。
注目したい点がいくつかあります。
まず、この真ん中を左右に横切っている斜めの線(ECLIPTIC)です。
これは黄道と呼ばれ、かに座は黄道にある星座「黄道12星座」に分類されます。
それは、天球上の太陽の通り道である黄道にあり、太陽や月、他の惑星がこの星座を通過することを意味します。
かに座は古代の星座に分類されます。
バビロニア人、エジプト人、中国やギリシャ、ローマ文化圏、そしておそらくもっと多くの人々によって確認されている星座です。
「Cancer」という名前は、ラテン語で蟹(カニ)を意味します。
かに座の見つけ方
かに座を見つけるには、ふたご座としし座が手がかりになります。
星座早見盤を使って星座の位置を確認すると、かに座がこの2つの見つけやすい星座のちょうど中間に位置していることをが分かります。
また、かに座のちょうど真ん中、甲羅のあたりに位置する星団(黄色い丸)を見つけることも手掛かりになります。
プレセペ星団を探す
かに座の中央に位置する散開星団(さんかいせいだん:恒星の集団)「プレセペ星団(M44)」は、この星模様の中でひときわ目立つ存在で、目印としてかに座を見つけるのに役立つでしょう。
写真中央が星団です。
端から端までの幅が13光年もある大型の散開星団で、太陽系からは520光年とそれほど遠くはないので明るくて見つけやすいでしょう。
かに座の星はほとんどが4等星以上なので、特に街の灯りが多い地域に住んでいる場合は、見つけるのが難しいのですが、Yの字を逆さにしたように見えます。
プレセペ星団(M44)が一番の手がかりとなりますが、写真の右上に見えるふたご座の頭、カストル(兄、2等星)とポルックス(弟、1等星)を使ってかに座を見つけることもできます。
いつ見られるのか?
北半球では春先、3月の下旬が見ごろです。
見つけるポイント
では、もう少し写真を見て、この星座の見分け方を練習してみましょう。
右下にプレセペ星団。
写真の右下の中央よりにもうひとつ星団(黄色い丸)が見えます。プレセペ星団よりは遠く2700光年離れているため、少し暗く見える散開星団「M67」ですが500を超える恒星からなります。太陽と同じ約50億年前にできたと考えられています。
さて、かに座は見つけられましたか?
しし座の隣
線でつないでみましょう。
この写真の気に入っているポイントは、左側にしし座で知られるライオンの頭が見えることです。まるでクエスチョンマークを左右反対にしたような星ならびです。
これはまた違った角度で撮った写真です。
たくさんの星座が見られるので好きな写真です。中央にふたご座が見えます。
ふたご座の隣
ふたご座は、ペアのように見える数少ない星座のひとつで、頭となる2つの明るい星の左上に、プレセペ星団(黄色い丸)が見えますか?
ここに見える星を全部挙げるとすると、左下には「こいぬ座」、右側の五角形に並んだ星を手がかりに馬を操る人「ぎょしゃ座」が見えます。
ふたご座の頭となる2つの明るい星をつなぎ、その延長するとプレセペ星団を見つけられるでしょう。
最後の一枚を見てみましょう。
一番左にかに座の「Y」が見えます。
他にもオリオン座、ふたご座、おうし座、ぎょしゃ座、ペルセウス座、おおいぬ座、こいぬ座、その他いくつかの星座が見えます。
ここでは、ふたご座、そして、その隣にかに座があることを覚えておいてください。
かに座がその周りのすべての星座に対してどのような方角にあるのかを把握するのに役立てばと思います。
かに座のまとめ
かに座は、北半球の春に最もよく見られる星座です。
太陽、月、惑星がすべてこの星座を通過するため、黄道12星座に分類されます。
見つけるには、ふたご座としし座を探すのが一番でそのちょうど中間にあります。
かに座にはあまり明るい星がなく見つけるのは難しい星座のひとつではありますが、天体という点では、プレセペ星団が目印となります。
かに座の探し方については、以下の動画で見ることができます。