一般的に、ミツバチは、巣の場所を見つける能力に優れ、迷う危険があまりない昆虫だと信じられています。
しかし、実際には、ハチの巣は永遠に続くわけではなく、ミツバチのナビゲーションシステムは完璧とは程遠いようです。
では、もしミツバチが巣を失ったり、道に迷ってしまったりするとどうなるのでしょうか?
ミツバチの巣が完全に壊れてしまったり、巣から遠く離れた場所へ連れ去られたりした場合、別の巣への仲間入りを試みる可能性は十分にあります。
ただし、別の巣に受け入れてもらえる可能性は約30%と低く、多くの場合、敵とみなされて攻撃されてしまうようです。
以下に、迷子になったミツバチの行く末について紹介します。
ハチは寿命が短い
花粉や花の蜜を求めてコロニーを離れるミツバチはメスの働きバチで、巣内の仕事の大部分を担っています。
ミツバチの平均的なコロニーには、20,000 ~ 80,000匹のメスの働きバチ、数百匹のオスバチ、そして1匹の女王バチがいます。
おそらくあなたが庭で出会う種のミツバチは、ほとんどがメスの働きバチでしょう。
彼らの寿命は平均して2か月しかなく、そのうち最初の2週間は巣の中で働くことに費やされるため、巣の外に出れたとしても迷子になって時間をロスしている暇はありません。
ミツバチが家を探す方法とは
幸いにも、ミツバチは、太陽を定点として使用し、太陽に対して一定の角度を維持することで、道に迷うことなく世界を移動するための驚くべき手段を持っています 。
その能力によってミツバチは食べ物源を見つけると一直線に巣に戻り 、そこでダンスによって仲間に食べ物の場所を知らせることができるのです。
専門家らは、この季節に依存しない能力は、頭の上にある触覚と関係があると考えています。
触覚は、 私たちの携帯電話のGPSと同様に、何らかの方法でベクトルと位置情報を計算することができます。
これは、周囲の驚くほど正確なメンタルマップ(頭の中の地図)と組み合わされています。
これらを組み合わせることで、ミツバチは迷子になるのを防いでいるのです。
迷子になったミツバチはどうするのか?
しかし、ミツバチが何らかの理由で通常の環境から連れ去られたり、ミツバチの巣が完全に破壊されたりした場合、彼らは、何らかの方法で生き残る方法を見つけなければなりません。
巣を失ったり、地理的に巣から遠く離れたハチは、まず、別の巣に入ろうとする可能性が高くなります。
そうなると次に何が起こるかは、新しい巣のミツバチの種類、巣の健康状態、外来ミツバチが巣に花蜜や花粉を持ち込んでいるか、フェロモンを大量に浴びているかどうかなどによって大きく異なります。
巣の警備を担当するハチが、外来ハチの化学的特徴を敵ではないと認識した場合、または、そのハチが相互に関わりのあるコロニーからのものであれば、侵入を許可される場合があります。
しかし、敵とみなされた場合、追い払われるか攻撃されるかして殺される可能性すらあります。
巣の再生への可能性と別の生きる道
部分的に破壊された巣箱や女王蜂が死んだケースでは、 新しく導入した女王バチを中心に、その周りにオスバチと働きバチが再び団結して巣を再生させることができます。
しかし、巣が完全に破壊されると、回収したり、作り直したりする方法がなくなってしまいます。
そうなると、ミツバチに残された唯一の選択肢は、別のコロニーに仲間入りすることです。
しかし、研究では、仲間からはぐれたミツバチや道に迷ったミツバチが、運良く別のコロニーに受け入れられる確率は約30%だと示されています。
このように、重要な花粉媒介者であるミツバチはあらゆるリスクと常に隣り合わせであり、生きていくのはとても大変なのです。
参照元:lost bee?