夜空に浮かぶ月を見上げたら、日が経つにつれて、月の形が変わって見えることに気付くでしょう。
でも、実際には月の形は変わりません。
ただ月の見え方が変わるだけなのです。一体それはなぜなのでしょうか?
今回は、見せかけの月の形の変化について、月の満ち欠けの仕組みをもとに分かりやすく紹介します。
月にも昼と夜がある
ある晩、夜空の月は少し欠けているように見えたのに、その数週間後には、まん丸な大きな月になっています。
一体なぜ月の形は変わったように見えるのでしょうか?
つまり、私たちが見ている月の明るい部分は、太陽に向かっている月の面の一部であり、私たちの方を向いている月の残りの面積は太陽が当たらない暗い夜の部分なのです。
月はいつも同じ面を地球に向けている
月は地球の周りを約1ヶ月かけて一周(公転)しています。
さらに月は、地球の周りを1回公転するとき、同じ向きで1回自転しているため、いつも地球に同じ面を向けていることになります。
公転と自転の周期が同じなので、月での1日は地球の一か月に相当し、昼が15日、夜も15日近く続くというわけです。
このように月は地球の周りを公転しているので、昼の(太陽にライトアップされた)面は地球から見ると大きさや形が変化します。
その結果、私たちは毎晩、少しずつ違った月の姿を見ることができるのです。
月の満ち欠けは8段階
月が地球の周りを1カ月かけてまわっている間、月の明るい部分は右から左へ太くなったり、細くなったりしているように見えます。
この私たちが見ている月の明るい部分と暗い部分の形の変化を「月の満ち欠け(Moon Phase)」、または、月相(げっそう)と呼びます。
そして、その月の満ち欠けは8段階あります。
第1段階は新月(new moon)です。
これは月の夜側の面、つまり月が地球の影となり、太陽に背を向けた面を地球から見ている状態です。
月は頭の上にあるのですが、その(太陽に照らされていない)暗い面が私たちの方を向いているので、新月期にはほとんど月を見ることができないのです。
第2段階は、三日月(waxing crescent)。月が爪の先のような細長い弓形に見える時期です。
三日月の次は、月が半円のように見える半月(quarter moon)です。上弦の月。
第4段階は、半円よりふくらんだギボス状の月、十三夜。
ギボス状とは、半円より凸上にふくらんだ月で、ほぼ満月に近い状態です。
そして、第5段階が一番明るくなる満月(full moon)です。
その時、月が太陽に完全に照らされた面が私たちの方を向くので、大きくて明るいまん丸な月が見えるのです。
でも、この段階ではまだ月の満ち欠けは半分しか終わっていません。
満月を過ぎると、明るく照らされていた部分が小さくなっていくように見えます。
そして、右から左へ太くなったように、月の陽の当たる部分も右から左へ細くなっていくのです。
というわけで、満月を過ぎると、月は再びしぼみ始め、ギボス状の月(十八夜)へと戻っていきます。
でも今度は、右側ではなく左側が明るく輝いているのに気づくはずです。
そして、この月が再び半円を描く半月が訪れます。前回の半月とは逆向きの下弦の月です。
そして数日後、また細く縮まり、第二の三日月となります。
その後、三日月はさらに細くなり、月の光が当たっている側が肉眼では全く見えなくなったら、そこからが新月の始まりです。
月の満ち欠けは1ヶ月の周期
同じ月ですが、このようにして1ヶ月のサイクルを経て、また新しく生まれ変わる準備ができるのです。
そして実は、私たちの1月、2月の「月」という言葉はこの月(moon)から来ています。
新月から8つの満ち欠けをすべて経て、再び新月に戻るには1ヶ月かかるからです。
今夜、寝る前に窓の外を見てみてください。
もし空が晴れていたら、ぜひ月を探してみてください。
明るいのは右側ですか、それとも左側ですか?
日が経つにつれて、月の形がどのように変化していくかを観察してみましょう。
日ごとの変化を絵にして記録しておくこともできますよ。
今回は、月の満ち欠けについてのお話でした。
月そのものが形を変えているわけではないことはお分かりいただけたと思います。
月が地球の周りを毎月1回まわっているため、私たちが見ることができる月の太陽に照らされた面の量が異なるだけだったのです。