ホタテ貝は目が見えない貝類だ。
実はそれは違います。ホタテ貝には、目があります。しかも最大で200にもおよぶたくさんの青い目が。
さらに、研究が進むにつれて、ホタテ貝の目は光に反応して瞳孔を開いたり閉じたりすることで眼内に入る光の量を調整していることも分かってきたのです。
以下に、ホタテ貝の複雑で機能的な目について紹介します。
ホタテ貝の機能的な目
水中でのホタテ貝の縁を拡大して見てみましょう。
青い丸が見えますか?実はこれが彼らの目です。
ホタテ貝には、殻を覆う外套膜の縁に数十個から最大で200個もの小さな目があります。
ただし、彼らの目は、私たちとは眼球の仕組みが異なることがcurrent biologyで掲載された研究によって示されています。
ホタテ貝の目には瞳孔の大きさを調節して網膜への光の量を調節する虹彩がありません。
角膜の細胞が形を変えて、網膜上に焦点を合わせるために光を屈折させています。
まず、眼に入った光は、瞳孔、水晶体、2つの網膜を通って、眼の後方にあるグアニンの結晶でできた凹面鏡に届きます。
ホタテ貝の眼は、主にこの凹面鏡を使って光の焦点を合わせているのです。
このカーブを描いた鏡は、光を網膜の内側の面に反射させ、そこで神経信号が内臓の神経節に送られる仕組みです。
研究がすすむにつれて、ホタテ貝の瞳孔の直径は最大で約50%変化し、拡張や収縮には数分かかることも分かってきました。
ホタテ貝は、このようにして眼球の能力を大きく進化させ、水中を泳いでいるのです。
ホタテ貝は泳げる
貝が泳ぐなんて想像できないかもしれませんが、ホタテ貝は、殻を開いて水を体内に吸い込み、その水をジェット機のように噴射することで、それと反対方向に移動できます。
さて、この穴だらけの奇妙な貝殻を見てください。
これは、昔の人々が、貝殻からボタンを作っていたときの残骸です。
ホタテ貝の泳ぐ様子や目の構造については、こちらの動画で見ることができます。