シリウスは、オリオン座の狩猟犬の1匹、大きな犬を表す「おおいぬ座」と呼ばれる星座にあります。(他、こいぬ座)
シリウスはおおいぬ座で最も明るい星、さらには、(地球上の)夜空で最も明るく見える恒星の1つです。
また、地球からわずか8.6光年しか離れていないため、太陽系に近い星の1つでもあります。
ここでは、2つの恒星からなるシリウスについて動画をもとに分かりやすく紹介します。
シリウスは連星系
実は、この明るい星、実際には双子星(連星系)です。
主星であるシリウスAはより大きく明るい星です。
伴星(暗い星)であるシリウスBは、白色矮星 (はくしょくわいせい)に分類されており、AとBは、50年ごとに互いの引力で、共通の重心の周囲を公転しています。
まず、この連星系の一般的な特徴を見てみましょう。
シリウスAは白色主系列星で、この2つの星は進化の段階が異なります。
この2つの星は50年ごとに互いの周りを公転しており、互いの距離が20天文単位(太陽から天王星までの距離と同じくらい)とかなり近い距離にあります。
繰り返しますが、地上から8.6光年しか離れていないため、夜空で一際明るく見えます。
下のハッブル宇宙望遠鏡で撮影された写真を見ると、大きい方がシリウスAで、その左下の小さな点がシリウスBです。
シリウスという名前はギリシャ語の「seirios」に由来しており、「光り輝くもの」または「焼き焦がすもの」という意味があります。
大きさをは随分違いますが、どちらも白色星です。
Aの方が温度が低く、Bの方がはるかに高温です。
シリウスAとは
それでは、シリウスAを見てみましょう。
ここで、シリウスについての興味深い事実が1つあります。それは、ボイジャー2号宇宙船がこの恒星系に約30万年後に接近することです。
シリウスBとは
それでは、シリウスBを見てみましょう。
シリウスBは白色矮星で、つまり主系列段階と赤色巨星段階を過ぎて進化した星です。
水素やヘリウムの核融合はもう行われておらず、はるかに高温の星の残骸となっているのです。
質量は太陽とほぼ同じ(約1.08倍)ですが、大きさ(体積)は、はるかに小さく、半径は太陽の0.0084倍程度で、とても暗いので肉眼で見ることはできません。私たちが実際に見えるのはシリウスAのみです。
シリウスBは、2 つのうち小さい方なので、子犬星というニックネームも付けられています。
シリウス系の大きさを私たちの太陽系と比較すると、シリウスAは太陽よりもはるかに大きいことがわかります。しかし、シリウスBを地球と比較すると、地球はシリウスBよりほんの少し大きいだけです。
ヘルツ・スプリング・ラッセル図から分かること
以下に、星の明るさ、温度、色の分類が分かりやすく表現されたヘルツシュプルング・ラッセル図を見てみましょう。
では、私たちがどこにいるのかを見てみましょう。
太陽はG型主系列星に分類され、シリウスAは太陽よりも大きいA型主系列星にあります。
※主系列星とは、中心部で水素の核融合反応を起こしている星のこと。
そして、図の中で、シリウスにとても近いのがベガです。ベガとシリウスは大きさがとても似ていますが、形が異なります。
ベガは急速に自転しているため、極が少し平らになっていることが分かります。
シリウスBは左下にあります。つまり、太陽よりも暗く、はるかに高温です。
つまり、太陽よりもシリウスAは明るく、シリウスBは高温なのです。
また、夜空で最も明るい25の星を見てみると、シリウスは地球の夜空で見られる最も明るい星になります。
数光年離れると、シリウスAとBはここ(以下の図の青い字)にあります。わずか8.6光年の距離です。
シリウスは、航海や農業のタイミングに使用され、多くの文化で深い文化的意味を持っています。