宇宙・航空科学

宇宙初の人工皆既日食に成功したESAの動画

宇宙・航空科学

太陽の表面温度は約6000℃なのに、なぜ太陽の大気「コロナ」はそれよりもはるかに高温の約100万℃以上にもなるのか?

宇宙に、自分たちで皆既日食を作り出すことができたら、この太陽最大の謎を解明できるかもしれません。

しかし、人工的に日食を作るには、2つの衛星を太陽と一直線に並ばせるための緻密な計算とミリ単位での制御機能が必要でした。

欧州宇宙機関(ESA)は、2つの小型衛星を使って、世界で初めてそれを成し遂げたのです。

以下は、欧州宇宙機関(ESA)ウェブサイトによる史上初、宇宙に人工的な皆既日食を実現した動画です。

First artificial solar eclipse in space

一つの衛星が、太陽の光を遮り、他の衛星に影を落とすには、衛星と太陽が正確に一色線に並び、完璧な編隊で飛行しなければなりません。

これによって、いつも太陽の強烈な光に隠れているコロナの画像を撮影することができます。

そして、この太陽外層の大気は、上空にいくにつれ温度が数百倍に急上昇し、100万℃以上と太陽の表面よりもはるかに高温です。

では、なぜこの謎めいた大気が私たちにとって重要なのでしょうか?

コロナは、宇宙天気を左右する強力な太陽嵐を引き起こし、地球上の衛星、GPS、電力網をはじめ、生命に壊滅的な影響をもたらす可能性があるからです。

しかし通常、このコロナは、年に数えるほどしかない皆既日食で、わずか数分間しか観測できません。

対して、宇宙で人工的に作り出した皆既日食は、1回あたり最大6時間にわたって観測可能となります。

この宇宙からの新たな視点からの観測によって、地球上の生命と技術を守るための新たな知見をもたらしました。