このタコのような奇妙な植物は、スパルタの建国以前から生きていた固体もあると考えれています。
名前は「ウェルウィッチ」。科学者たちは、植物が何千年も生き続けることができる遺伝子の秘密について研究中。
彼らは、生きている限り成長を止めません。
南アフリカの乾燥した砂漠に分布し、過酷な環境下で生きる世界で最も頑丈で長寿の植物の一つです。
以下に、世界で最も長生きと考えられているユニークな植物「ウェルウィッチア」の知られざる世界についてみていきましょう。
枯れることのない2枚の葉
アフリカーンス語で「死なない二枚の葉(tweeblaarkanniedood)」を意味する名前が示すように、決して枯れることのない2枚の葉が、生きている限り成長し続けます。
それはなんと1000年で150メートルも成長。
葉は、まるで何枚にも見えますが、実際には2枚の葉が何千年も成長し続けるうちに乾燥によって裂けたり、ひび割れたりして、タコの足のような乾燥した葉の山に変わったものです。
葉の根本から3メートルほどは緑の部分が続きますが、次第に先端からゆっくりと枯れていきます。枯れても葉の先端は本体についています。
葉は、ほぼ土に埋まった大きな木質の茎から生えています。
ウェルウィッチの水分摂取源は、地下水と大西洋から流れ込む朝霧が主で、葉に結露した水分を集めて吸収すると考えられています。
3000年以上前もの固体を発見
アフリカのナミビア西部とアンゴラの乾燥地域など一部にしか生育しない固有種でウェルウィッチア科に分類される唯一の種。
放射性炭素年代測定と呼ばれる方法で、植物の年代を推定した結果、一部の固体は3000年以上前からのものであることが明らかになりました。
ヨルダン南西部の古代都市、ペトラが建設されるよりもさらに1000年前、それは、メキシコ湾岸地域に栄えた古代オルメカ文明によって巨石人頭像(きょせきじんとうぞう)が彫られた頃です。
中国で790年間続いた周王朝のちょうど始まりの頃に芽を出した植物なのです。
繁殖しにくい植物
ウェルウィッチの種子は、菌類に感染して生存能力が落ちることがよくあることから、繁殖しにくい植物と考えられています。
また、苗が発芽するには、55mm以上の雨量が必要であることも、繁殖を難しくしています。年間降水量が40mm程度しかないナミブ砂漠では、これはめったに起こりません。
干ばつ時には、動物が水分を求めて葉を食べにやってきますが、幸いなことにウェルウィッチアは成長し続けることができます。
6600万年前の白亜紀の化石を調べた研究では、ウェルウィッチアがかつて砂漠に生育していたわけではなく、現在の生育環境よりもはるかに湿度の高い領域に生育していたと示されています。
ウェルウィッチアについては以下の動画で見ることができます。