太陽系のすべての惑星は、太陽の周りを公転している。
実はこれは厳密には正解ではありません。
太陽系の天体はすべて、太陽系全体の重心を回っており、太陽もまた、その共通重心の周りを回っているのからです。
以下に太陽についての興味深いお話を紹介します。
太陽は自転している
太陽系の天体は、それぞれの軸を中心に自転しています。
太陽も自らの軸を中心に自転しています。
この自転は、1600年代初頭にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイによって初めて発見されました。
ガリレオは、時間の経過とともに太陽の表面に見える黒点の動きを観察し、それが東から西に移動していることに気付いたのです。黒点とは周囲よりも冷たいため暗く見えるところです。
太陽は公転している
太陽は自転するだけでなく、銀河の中心の周りを約2億2500万年から2億5000万年ごとに公転しています。
この周期は銀河年、または、宇宙年として知られています。
太陽は形成されて以来、46億年かけて天の川銀河の中心を20周回ほどしていると考えられています。
太陽の第3の動き
太陽は、自転と公転の動きのほかに、惑星の重力によって3番目の方法で動いています。
実際、太陽系のすべての天体は、重心と呼ばれる共通の質量の中心を公転しています。
共通重心とは、太陽系全体の質量が、これを中心に均等に分布している目には見えない点で、それは太陽の中心とは限りません。
たしかに、太陽は太陽系の全質量の99.87パーセントを占めているため、太陽系の重心は太陽の中心にとても近いのですが、正確には中心とはいえないのです。
太陽は、この太陽系の重心の周りを、太陽系で2番目に質量の大きい木星(約0.2%)や他の惑星の重力に引っ張られながら揺れ動いてます。
そして、この太陽系の重心の位置は、太陽の周りを公転する惑星の影響を受けて、常に変化しているのです。
天文学者は、重心の周りのこのような動きを利用して、太陽系外惑星を見つけることができるのではないかと期待しています。
太陽には無秩序な磁場がある
太陽には強力な磁場があり、地球の磁場と同様に北極と南極(プラス極とマイナス極)がありますが、磁場は地球よりも無秩序です。
表面全体で磁力に大きな変化があります。
黒点は、太陽の表面で特に磁力が強い領域です。
約11年ごとに太陽の極は反転し、北極が南極になり、その逆もあります。
この現象は太陽周期と呼ばれ、周期が変わる時期に黒点の数もピークに達します。
黒点は数日から数か月間持続し、最終的には消滅します。
太陽は電離したプラズマのガスの球体であるため、回転は固定されていません。
電離とは、高温などの要因で、原子がその形をとどめておくことができず、電子とイオンがばらばらになって自由に動いている状態の気体です。
つまり、太陽ではプラズマの乱気流や熱対流によって、自転速度は一定ではなく、緯度や各部位によって自転周期も異なりやすいのです。これは、差動回転や微分回転と呼ばれています。
太陽の動きについては以下の動画で確認することができます。