スーツやベストの一番下のボタンを外すようになった理由

2017年4月24日

スーツのジャケットの着こなし方には、ある伝統的なルールがあります。

それは、「一番下のボタンは外すこと」で、ビジネスや冠婚葬祭などに着る機会の多いシングルスーツだけでなく、男性用ベスト(チョッキ)にも適応されるマナーのひとつです。

ボタンが一列に配置されたシングルスーツでは、「2つボタン」タイプは一番下を、「3つボタン」タイプは、一番上のボタンも外されることがあります。

とてもシンプルなマナーですが、意外と知らない人も多く、特にスーツに着慣れていない人などは、全てのボタンをとめてしまいがちです。

実は、この社会的なスーツの着こなし方には、ユニークな歴史的ルーツがあります。ここでは、スーツの一番下のボタンが外されるようになった興味深い経緯を紹介します。

一番下のボタンを外すようになった経緯

スーツの一番下のボタンを外すというしきたりは、イギリスの王、エドワード7世の時代までさかのぼり、彼が在位した10年間(1901年から1910年まで)の間に生まれました。

エドワード7世が、まだ皇太子(プリンス・オブ・ウェールズ)だった頃、スーツは、徐々にポピュラーになっていきましたが、エドワード7世は、食べ過ぎからおなかが出てしまい、スーツを着ると苦しいので、一番下のボタンを外すようになりました。

すると、周囲もみんな彼に敬意を表して外すようになったというわけです。

エドワード7世は、その他にも、現代のスーツファッションのトレンドを生んでいます。

エドワード7世が生んだスーツのトレンド

「ラウンドスーツ」は、1906年に、ライディング・コートの裾を短くして置き換えた形で生まれました。3つのボタンが並び、一番下のボタンを外すと、馬に乗ったときに、ジャケットが美しく見えるように考えられたものです。

これが現代のスーツの原型となり、ビジネスやプライベートで着用される重要なファッションアイテムとなっていきました。

エドワード7世は、この乗馬用コートを置き換えて作られたラウンドスーツに敬意を払い、その後も、スーツを着る時はいつも一番下のボタンを外していたそうです。