フライトアテンダント(客室乗務員)は、飛行機内では、水道水を沸かした湯はもちろん、それを使ったコーヒーや紅茶でさえ飲まないといいます。
実は、飛行機で使われている水道水の調査では、過去に悪い実績が多く、なかには、サルモネラ菌や昆虫の卵で汚染されていたという調査結果もあるようです。
どうやら、「保安検査場を通過後に飲料水を購入して飛行機内へ持ち込む」という選択肢がベストかもしれません。
今回は、飛行機で飲料水用に使用されている水道水の汚染度や、汚染される原因について、過去の調査結果をもとに分かりやすく紹介します。
繰り返しますが、乗客のコーヒーや紅茶を作るときに使用されているのは、機内の水道水です。
そして、フライト中にペットボトルの水が切れたときの飲料水としても、当たり前のように水道水が用いられています。
汚染された飛行機の水道水
米環境保護庁(EPA)によると、航空機の8機に1機の水道水が、基準値に合格しませんでした。また、調査された航空機の水システムの15パーセントが、体に有害な菌を含んでいたことも明らかになりました。
2016年に行われた研究では、長距離を飛行する航空機ほど水道中のバクテリアが多いことも分かりました。
実際に、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、過去20年の間に少なくとも6回は、航空会社に警告を発令しています。
米国保健当局以外でも、カナダや香港などで、数十機以上の航空機の水道から汚染された水が見つかりました。これに対しては、多くの航空会社がこれらの調査結果と水の回収方法に異議を申し立て、論争は続いています。
それでは、どうして飛行機の水道水は汚染されてしまうのでしょうか?
水が汚染される原因
飛行機に入る水道水は、まず、公共の水源から、貯蔵施設を経て、飛行機に運ばれ、貯水タンクに移し替えられます。このように、多くの異なる段階を経て運ばれるため、移動するたびに、新しい菌に接触する可能性があり、徐々に水が汚染されていきます。
また、仮に、あなたが機内で、コーヒーや紅茶を頼んだ場合、汚染された水が、細菌を全て殺すほど十分に加熱されていない可能性もあります。
これに対してEPAは、航空機の水道水を飲料水として使う航空会社により厳しい基準を設けたようですが、念のため、飛行機に乗るときは、機内への液体物の持ち込みを確認したうえで、水分補給用の水を用意した方がよいかもしれません。
最後に、機内用毛布も再利用されることが多いこと、そして、掃除がなかなかできない窓にも頭をもたれさせない方がよいことを頭のすみに。
汚れているようには見えないかもしれませんが、雑菌、バクテリアは微細なものなのです。