植物を元気に育てるには話しかけるべき?

身近なふしぎ

あなたは今までに、「植物に言葉をかけてあげると元気になる」と耳にしたことがあるかもしれません。

確かに私たちが、話をするときに大気中に送る音波と二酸化炭素は、いずれも植物の成長になんらかの影響を与えている可能性はあります。

しかし、植物に話しかけたり、歌いかけたりすることが与える影響を、実際に裏付ける証拠はあるのでしょうか?

ここでは、何世紀にもわたって植物学者たちが研究を重ねてきたデータ(話をするときに大気中に送る音波や二酸化炭素の影響)をもとにそれを検証した結果を分かりやすく紹介します。

植物と音の研究

植物学者は、人の話声の録音やクラシック音楽を流すと、植物の発育が良く、種の発芽が早いことを発見しました。

彼らは、植物自身が自らの細胞に接触する(動物の動きによって生じる)音波のような振動や風の変化を拾うように調整されていると考え、植物がこれらのノイズに反応していることを導き出したのです。

また、ある研究では、いくつかの植物が、私たちの話す音波の周波数(50ヘルツから500ヘルツくらい)や1秒あたりの振動数を感知して反応したため、植物は人の話を聞くことができると示しています。

さらに、音楽や単音の音色が流れると、植物の成長ホルモンの増加や遺伝子発現の変化も見られました。

ちなみに、遺伝子発言とは、遺伝子のもつ遺伝子情報が、DNA内に存在するだけでなく、たんぱく質の合成によって実際に現れることを意味します。

しかし、これらの研究と実際の会話を比較してみると、研究では、大音量で、または、長時間にわたって音が流されるという点で、通常の会話の効果にそのまま適応できるのかは判断し難いという問題が生じます。

また、記録されたデータからは、植物の反応と人が呼吸によって吐き出す二酸化炭素の関係性については何も知ることはできませんでした。

植物と呼気に含まれる二酸化炭素の関係

植物は、二酸化炭素と水を糖に変換してエネルギー源としています。

人の呼気には、空気の100倍近い二酸化炭素が含まれていることを考えると、植物を取り囲む空気の二酸化炭素濃度が高くなってより多くのエネルギーを生産できるとも考えられます。

しかし、たとえ植物の近くで話しかけたとしても、呼気は、すぐに周囲の空気と混ざり合って二酸化炭素濃度が薄まってしまうこともあり、呼気が植物に直接与える影響については、研究データがまだ足りていないのが現状です。

まとめ

単に「植物は、人に話しかけられるのが好きだ」とする考えは、1848年に出版された本が示した古い考えであり、残念ながら、何世紀にもわたって科学者たちが研究を重ねても、いまだにそれを証明するデータは得られていません。

それでも、たくさんの人が実際に「植物に話しかけたり、歌いかけたりすると元気になったように感じる」と答えているのはなぜでしょうか?

確かに、人が発する音波や二酸化炭素は植物になんらかの影響を与えているのかもしれません。

しかしそれよりも、そう感じる人の多くが、観葉植物や庭の苗木に、細心の注意を払いながら世話をしている傾向が高いことに理由があるのかもしれません。

結局のところ、彼らは、サボテンの世話を忘れて、十分に乾燥するまで机の上に放置するようなことはなく、植物に水が不足していないか、また、十分な光を得ているか、虫がついていないかといった問題に、いち早く気づき、対処している可能性が高いだけなのかもしれません。

参照元:Should You Talk to Your Plants to Help Them Grow?