クロールのスピードアップにおける最優先事項の一つ「体のすばやい回転」のために、オリンピックのメダリストを生み出しているスイミングクラブが水中と陸上で行っている練習方法を紹介します。
すばやい体の傾きが、ストロークやバタ足のタイミングとうまく組み合わさったとき、ストロークのたびに、移動距離がぐんと伸びるようになるのです。
クロールで回転力?イメージがわきにくいかもしれませんが、「回転力は水泳のタイムを縮めたい人がまず会得すべきテクニックです」。
そう言うのは、The Race Club swim campsの創設者で、3大会連続してオリンピックに出場し3個のメダルを獲とくしたゲイリーウェインホールシニア博士(Dr. Gary Wayne Hall Sr.)。
クロールは、魚雷のような体の迅速な回転が、速度を劇的に向上させます。
すばやい体の傾きが、ストロークやバタ足のタイミングとうまく組み合わさったとき、ストロークのたびに、移動距離がぐんと伸びるようになるのです。
それがこのスイミングスクールが「カップリングモーション(連結動作)」と呼ぶ理由で、カップルとしてうまくなりたったとき、その両方がより強力なパフォーマンスを生み出すからです。
さっそく以下に、回転力をパワーアップさせるためにThe Race Clubが紹介する最も簡単な方法で、特に強化している練習を紹介します。
ストロークのたびに、体を積極的にすばやく回転させることによって、ストロークとバタ足の両方がよりパワフルになり、推進力が向上します。
水中で体を回転させる練習方法
シュノーケルとフィンをつけて、体を回転させるシンプルな練習です。
- まず、壁を蹴って、背中と頭が平らになるように、水面で体を一直線にまっすぐ伸ばします。
- その姿勢のまま片側(プールの壁)を向いて、6回キックした後、体の向きを反対側にほぼ垂直になるようにすばやく変えてください。
- これを左右交互に繰り返します。
体をすばやく、アグレッシブに180度回転させると、スピードが劇的に変わる可能性があります。
しかし、体の回転がゆっくりであったり、傾きが足りなかったりすると、速度の変化はほとんどみられないので注意してください。
体の回転を速めるための陸上トレーニング
体の回転を速めてパワーを増すために、体幹や腹筋を強化するための陸上トレーニング方法です。
バイシクルクランチ(ザック・ヘイデン編)
両手を頭の後ろにつけた仰向けの姿勢になり、両足と肩を地面から離したまま腹筋をします。
このとき、一方の脚(右脚)はまっすぐに伸ばしたままで、片方の膝(左膝)のみ曲げて胸に引きつけ、反対側の肘(右肘)にふれるように上半身をひねります。
この動きを迅速に、左右交互1分間繰り返します。
ボクシングエクササイズ(レベッカ・ソニー編)
みなさん次の動画を見て気付きましたか?エクササイズの見本を見せてくれているのは、オリンピックのメダリスト、レベッカ・ソニです。
肘を高く保ったまま、おなか周りから肩までをすばやく回転させるように完全にひねり、左右交互にパンチを繰り返します。
これをすばやい動きで、1分間休まずに行います。グローブをつけて、ミトンめがけて打ち付ける方が、空中をパンチするよりも効果的です。
これによって、レベッカ・ソニは、すばやい回転に必要な体幹(体のコアな筋肉)を強化させることができたといいます。