強いバタ足に偏ったクロールの改善点

強いバタ足に偏ったクロールの改善点水泳教室

強いバタ足に頼ったクロールの特徴や泳ぎ方を改善するための練習方法へのアドバイスなどをSwim Smoothより分かりやすく紹介します。

この泳ぎ方の人は、クロールが疲れやすい、膝に力が入りかかとが水面から出る、体の傾きがなくストロークの腕がのびているなどの傾向があるので注意しましょう。

Swim Smoothは、20年近くにわたり、何万時間もの実際の水泳のデータに基づいたコーチの教育法で、業界をリードする水泳コーチングシステムを開発。アプリなどを手掛ける。

力強い腕の動きとバタ足。しかし、水への感覚が乏しく、いくら練習してもクロールのタイムが一向に縮まらない。結果スランプに陥る。

このようなクロールの多くが、とにかく泳ぎ込みをさせるといった昔ながらの練習方法に偏ったとき、また、女性の方が多くみられ、約1/4から3/4の女性がこの泳ぎ方になっているようです。

この場合、腕の動かし方や上半身の推進力を向上させるためのバラエティー豊富なトレーニングを取り入れて改善していく必要があります。

これまでクロールが疲れやすいと感じていた人は、下記の練習を意識して行うことで、ストロークと体の回転のコンビネーションを改善し、上半身の推進力からより楽に泳げるようになるでしょう。

強いバタ足に偏ったクロールは自己診断が難しい

強いバタ足に偏ったクロールは、ほとんどの場合、本人が気づいていないようです。

実際に泳いだ後に話をすると、「上半身から推進力を得ている」と勘違いしている人が多いというのが、興味深くやっかいな問題であることを示しています。

パワーがあるため、水面近くでの姿勢はよく見えがちな点も問題をややこしくしています。実際は、身体のバランスよりも強いキックに頼る傾向が高いようです。

それだけ、バタ足に頼ったクロールかどうかは自己診断が難しいのが現実。

しかし、力まかせに泳ぐだけでは、バタ足が直接推進力につながるような効率のよいものにはなりません。

以下を参考に、自分の泳ぎを見つめ直してみてください。

バタ足に頼ったクロールの特徴

  • 息切れしやすい、疲れやすい
  • バタ足がお尻からではなく、ほとんどが膝から下の力で進んでいる。
  • 膝に力が入りすぎており、かかとは水面から出ている
  • 体の傾きがなく、フラットな泳ぎ方が多い

もし、分かりにくいようなら、まずバタ足抜きでクロールを泳いでみましょう。

太ももの間にプルブイをはさんで泳いだときに、明らかにスピードダウンしたり、他の人よりも速度が遅くなるようなら要注意。

もちろん短距離では、力強いバタ足が必要ですが、長距離になるほど多くの酸素を必要とするため、どうしても無理が生じたり、背中や腕、胸の筋肉が疲れやすくなります。

実際に、激しいバタ足が必ずしもスピードアップにつながるわけではありません。

このような泳ぎ方をする人は、浮きやビート板に頼りがちであったり、ウェットスーツを着て泳ぐとバランスが崩れやすい傾向もあります。

おすすめの練習方法

この泳ぎ方をすると疲れるのは当然です。

疲れやすい原因としては、まず上半身の問題

「キャッチ(水への入水)」がうまくできていないことから「プル(腕を引く動作)」で腕が伸びてしまい、肩に大きな負担がかかっていることが考えられます。

この場合、腕の動きを改善するとスピードが飛躍的に速くなる可能性があるのも事実です。

特に、ストロークの前方で水をつかめていないため、キャッチとプルを改善する練習を行いましょう。

ストロークと体の回転のコンビネーションがうまくいくと、自信をもった効率的なクロールができるようになります。

下半身の問題

膝から下でパワフルなキックを続けるには、どうしてもハムストリングや大腿四頭筋をよく使うようになります。

これらは身体のなかでもは大きな筋肉群であるため、大量の酸素を消費しています。

このような場合、下半身だけでなく、上半身の推進力を改善することで、もっと楽に同じスピードで泳げるはずです。

エネルギーをストロークと体の傾きの改善に転化したトレーニング方法を取り入れることで、水への感覚をつけ、下半身よりも上半身の推進力を強化することが求められるのです。

クロールのバランス力を上げるトレーニング /ノーキックスタビリティー

GoSwimで紹介されている「クロールのバランス力を上げるトレーニング /ノーキックスタビリティー」の練習メニューもおすすめです。

バタ足をしないで、両足をつま先までピンと揃えて足を一直線に保ったまま、バランスを崩さないで安定して泳ぐ練習方法で、体のコアな筋肉に意識を集中させて、体のバランスのとり方を学ぶことができます。

足が下がらないように、まっすぐなボディーラインをキープしてゆっくりと泳ぐことはできないため、ある程度のスピードを要します。

また、足が沈み始めると、体のラインや姿勢を保つために、体の中心を引き締める必要があり、それによって、バランスのとり方を学びます。

この練習の最終的な目的は、バタ足が単なる補助としてではなく、より推進力を上げる役割を担うことです。

強いバタ足に偏ったクロールを動画で見る

Swim Type 3: The Kicktastic

今回は、速さを競う水泳競技を目的としたバタ足の話でした。

ただし、誰かの命を助けるライフセービングやマリンスポーツなどで、顔を上げたままクロールする場合は、強いバタ足が役立ちます。

顔上げクロールは、視界を妨げることなく、周囲の状況を確認しながら泳ぐことができるため、おぼれている人を見失うリスクを軽減できるのです。

そして、この顔を水につけない姿勢をキープしながら、クロールで前に泳ぎ進むためには、強いバタ足が必要になります。

泳ぎ方のコツは、力いっぱい腕を後方に引き、後ろに引いた際に肘の位置を高くすること。

上半身を水面上にキープするためにも、流体力学的な流動を考えて、バタ足は強くお尻の位置も高く位置づける必要があります。