クロールの息継ぎを、左右のどちらか一方だけでなく、両サイドでバランスよく行う練習方法を紹介します。
息継ぎを両方で行うことで、クロールのストロークがアンバランスになるのを防ぎ、息継ぎとバランス力のつながりを改善して推進力を高めることができます。
ストロークと呼吸のタイミング
両手が頭の前方で揃うタイミングで、ストロークを始めます。体が回転し始めた時に、(プルの)腕を後方に向けて引き、腕と体が一定のリズムで動くことを意識します。
片腕は、プルと息継ぎの間中ずっと、前方に伸ばしておきましょう。
必ずストロークの開始と一緒に、体ごと頭を傾けます。息継ぎが終わったら、頭を即座に元に戻し、バランスのよい体のラインを意識。
もしクロールで呼吸が苦しいのなら、息継ぎのタイミングが遅れ気味なのかもしれません。
おそらくストロークを始めてから頭の向きを傾けることに原因があり、それによって、息継ぎがワンテンポ遅れてしまったり、バランスが崩れている傾向があります。
ストロークを始めた後ではなく、始めると当時に頭の向きを変えて息継ぎをしましょう。
クロールの息継ぎをバランスよくする練習の目的
子供やまだクロールの初心者には、「両側の呼吸」という言葉をできる限り多く使用し、意識させるようにしてください。
特に幼いうちは、バランスのとれたクロールを確実に行う必要があります。
姿勢がバランスよく泳げるようになったうえで、長距離をよりパワフルに泳いだり、よりらくに息継ぎができる向きを考えて右か左に決めていくこととよいでしょう。
練習方法
ストロークを3回数えます。3回は、両側で呼吸をする練習において、最も少なく合理的回数です。
5回ごとでは難しく感じる人が多く、1回ごとでは少しおかしなトレーニングになってしまいます。
手が前方に入る(キャッチ)回数を1、2、3と数え、3回ごとに息継ぎを1回行います。
呼吸の間は、頭だけが左右に回転するのではなく、頭と体をまっすぐにして、体の回転を使って息継ぎをするように頭の位置を安定させます(頭を傾けてあごだけを上げたり、頭を起こしてしまうと前方に伸びた手が下がります)。
体が傾く間、頭は体のまっすぐ延長線上にあり、体をしっかりと伸ばしてバランスを安定させます。
効果的に息継ぎを両サイドで取り入れることは、左右対称の呼吸をするというよりも、むしろ右の息つぎと同じ回数で左で呼吸するように意識します。
ポイント
3回のストロークに1回の呼吸は、慣れない側での息継ぎを必要とするため、酸素が十分に取り込むことができずに、泳ぐ速度をあげた時に、息切れをすることがあります。
速度を上げたり、長距離を泳ぐ場合は、同じ側の呼吸を増やしたり、回数を調節しながら取り入れてみてください。
例えば、右の息継ぎで1レーンを泳いだ後、左で1レーンを泳ぎ、最後に3回のストロークごとに息継ぎをするというように、自由に混ぜて行います。
練習方法を動画で見る
水泳は、少しダンスに似ています。ジャズのビートに乗った最高の演奏のように、自分の泳ぎのリズムを見つけていかなければなりません。
クロールを泳ぐときは、左右への体の傾きと息継ぎに注意してリズムよく泳ぎましょう。