シャボン玉は、表面張力によって割れます。
シャボン玉は基本的に、石けん水の薄い層に囲まれた空気のポケットです。
さて、シャボン玉ができるのは、水の分子が互いに引き合ってくっつくという特別な性質があるからです(参照:雨のしずくは実際にどんな形なのか?)。
この水分子同士の引き合う力が、表面張力と呼ばれるものを生み出します。
以下、この表面張力がどのようにしてシャボン玉を割るのかについて紹介します。
シャボン玉ができる理由
シャボン玉は、水だけではできません。
石けんのように、何か他のものが必要なのです。
石けんの分子は、水を嫌う疎水性の部分(長い炭化水素鎖)と、水を好む親水性の部分(カルボキシ基のナトリウム塩)を持っています。
その名の通り、水を嫌う分子は、水分子を押しのけようとし、水を好む分子は、そのままの状態でとどまろうとします。
すると、石けんの分子は、水分子の周りをサンドイッチのように取り囲みます。
そこに空気を吹き込むと、伸縮する石けん膜の中に空気が閉じ込められてシャボン玉ができるのです。
表面張力がシャボン玉を割る仕組み
シャボン玉は液体の表面にある分子が、「表面張力」と呼ばれる強い結合をつくることで生まれます。
このとき、この表面張力と、シャボン玉の内側と外側からの空気圧とが釣り合いがとれた状態を作り出し、シャボン玉がはじけるのを防いでいます。
しかし、その釣り合いはとてももろいものです。
ちょっとした風や乾いた指、さらには小さなホコリが加わるだけで、バランスは簡単に壊れてしまうのです。
さらに、空気が乾燥していると、その表面張力の層から水分が蒸発しやすくなります。
すると表面張力を生み出している分子の結合が弱くなり、徐々に膜は薄くなり、最終的にシャボン玉ははじけてしまうのです。
粘り気のある石けん水を使うとシャボン玉が長持ちするのは、水が蒸発するのに時間がかかるためです。