平泳ぎのストロークで最もよく見られる5つの間違いと悪いくせの直し方について、U.S. Masters Swimmingより、アメリカの水泳コーチCokie Lepinskiさんによるアドバイスをもとに紹介します。
ストロークのプルの腕の動きの幅が狭い、肘が下がる、プルを引き過ぎる、前方で腕が伸びきれていないなどは特によくみられるので注意してください。
水泳では、どのストロークでも、上手に行うには、水の感覚を高める必要があります。平泳ぎの場合は、手から腕にかけて受ける水の感覚が特に重要です。
平泳ぎの間違ったストロークと直し方
推進力を上げるには、水への感覚を高めるだけではなく、適切なストロークを実行することも大切です。
手の平が下を向いたままリカバリーをする
平泳ぎのプルで水をかくとき、手の平が常に下向きで水面をなでるストロークになっている。
水を引き寄せる時の延長で、手の平が下を向いたままであると、ただ水をなでているだけの状態になり、水をつかむ感覚を得ることができなくなります。
プルの腕の動きの幅が狭い
平泳ぎのプルの時に、(まるでバタフライのストロークのように)手の平を体に引き寄せるように水をかくと、肘が上がらずに指先が下がりすぎて、窮屈な腕の動きになります。プルの時の手の平は体よりも外側に向けて水をかきます。
逆にプルで腕が広がりすぎるのも問題です。手を前方に伸ばした後、外に向けて強く押して広げてしまうと、キャッチの生産性(水をつかむ量)が低くなるので注意してください。
プルで肘が下がる
平泳ぎのストロークでは、肘が極めて重要なポイントになります。
プルの時に肘が下がると、水をつかむことができなくなるだけではなく、重心が後ろに移動してお尻が下がり、体が沈んだ状態で息継ぎをするようになります。
プルの手を引き過ぎる
あまりに長くプルをすると、肘の位置が下がった状態で、水中の深い位置まで水をかくようになります。肘の位置は、常に肩よりも前で維持してください。
ストロークの最後で前方の腕が曲がっていたり、下がっている
ストロークの最後は、前方で腕をしっかりと伸ばす必要があります。腕が曲がった状態では、水平なストリームラインを作れず、平泳ぎで一番推進力が上がる最後のポイントでスピードにのることができなくなります。
平泳ぎは、水の抵抗を最小限にすることを第一に考えなければなりません。
そのためには、1回ごとのストロークを、腕を伸ばした状態で完了する必要があります。
両腕を耳の真横でしっかりと伸ばした後、親指を下げて手の平を外側に向けて次のストロークの準備に入ります。
残念ながら、あまりに多くの水泳選手が、平泳ぎのリカバリーで、前方に出した手が下がっていたり、動きが遅すぎたりする傾向があります。
これについては、アメリカ中部のインディアナ州にあるスイミングスクール(Brownsburg Swim Club)で、平泳ぎのリカバリーの手を高い位置に保ったまま、前方に鋭く突き出すために考えられた練習方法を<a href=”https://www.goswim.tv/”>GoSwim</a>で見つけたので紹介しておきます。
練習方法は、とてもシンプル。通常の平泳ぎのストロークよりも指先をわずかに上に傾けて、水しぶきが立つほど、おおげさに素早く前方に出すだけ。その直後に頭を下げ、ストリームラインになります。
前方に水を押し出すという変なクセがつくことを恐れず、よりアグレッシブでな平泳ぎのリカバリーを体験するのが目的です。最終的には、指先を少し下げて通常の平泳ぎを泳ぎます。