火星は「赤い惑星」として知られていますが、実際にはもっとオレンジ色に近い色にみえます。
そして、この色の秘密は、火星の岩石や土に含まれているたくさんの鉄分の酸化にあります。
基本的に、火星の表面は、主に鉄を含むチリで覆われています。
ここに大気中の酸素がふれると、酸素に反応して赤っぽい酸化鉄やサビができるのです。
しかし、実際に火星の表面に探査機を着陸させると、茶色や緑、あるいは黄色っぽいアメ色の地域もあります。
では、なぜ地球から見ると火星は「赤い惑星」に見えるのでしょう?
原因は「砂嵐」
火星の表面では、砂嵐が数週間から数ヶ月続くため、赤褐色のサビが大気中にまき散らされて、地球からみると表面全体が赤みがかった色に見えるのです。
自転車にせよフライパンにせよ「鉄」が含まれているものは、水に濡れると、サビて赤みがかったオレンジ色になります。
さて、物がサビる理由は他にもあります。
酸素をたくさん含んだ空気によっても物はサビます。水はサビを加速させているだけなのです。
研究者のなかには、火星の岩石がサビているのは、地球で物がサビるのと同じ理由、つまり水によるものだという考え方もあります。火星がかつて水で覆われていた可能性があるというのがもし本当ならとても興味深い話ですね。
惑星の色を決めるもの
それぞれの惑星の色は、それらが何でできているかで決まり、場合によっては、惑星を覆うガスが太陽からの光を吸収して反射することが、色に影響を与えることもあります。
たとえば、天王星や海王星の大気に含まれるメタンガスは赤い光を吸収しやすく、青い光を反射するので、私たちには青く見えるというわけです。
一方で、地球は青い星といわれますが、実際には青一色ではなく、宇宙から見ると海は青く、陸地は緑や茶色、雲や雪は白に見えることはみなさんご存知の通りです。