なぜ、どうやって砂糖の粒から、ふわふわの綿菓子ができるのかについて、固体から液体への変化を中心に科学的な視点で分かりやすく紹介します。
ふわふわでとても甘い綿菓子。綿飴(わたあめ)とも呼ばれ、最近ではピンクや青など色とりどりで、たくさんのフレーバーがありますね。
綿菓子って何からできているの?
綿菓子といっても 実際には綿でできているわけではありません。綿菓子は、砂糖からできていますが、綿を連想させるので「綿」菓子と呼ばれているのです。
今までに綿花(めんか)という綿の果実を見たことがある人はイメージしやすいかもしれませんね。
さっそく以下に、ふわふわの綿菓子ができる理由をみていきましょう。
綿菓子は固体の砂糖から作られる
アメリカでは、綿菓子は「cotton candy、(コットンキャンディー、綿飴)」と呼びますが、なかには「sugar floss(シュガーフロス、砂糖の糸)」と言ったり、オーストラリアのように「fairy floss(フェアリーフロス、妖精の糸)」と呼んだり、イギリスのように「candy floss(キャンディーフロス、飴の糸)」と呼んだりなど、同じ英語圏でもさまざまな表現があります。
いずれにせよ、砂糖からできた糸がとても小さくて細いことからそのように呼ばれているようです。
綿や妖精の糸に見えても、このお菓子はただのお砂糖なので、とっても甘いんです。
でも不思議、砂糖は綿菓子みたいにフワフワしてないよ。
たしかに、砂糖は固形で、形もあまり変わりませんね。
砂糖の粒を拡大してみると、小さくて丸っこくて、まるで小さな石ころのようです。
このような特殊な固形状の砂糖を、私たちは砂糖の「結晶」と呼んでいます。
砂糖は加熱すると固体から液体に変わる
固体の結晶は、あまり形を変えることができないため、綿菓子のようなふわふわしたものに変えるには、熱を利用する必要があります。
綿菓子製造機に入れる砂糖の結晶は、最初は固体の結晶です。
この砂糖の結晶には、通常、着色料や香料が加えられているので、カラフルでおいしいものに仕上がります。
綿菓子機のスイッチを入れてこの結晶を加熱すると、その熱で砂糖が溶け始め、固い結晶から新しいものに変化していきます。
さて、砂糖はどんな状態になると思いますか?
その通りです。固い砂糖が熱で溶けると、液体の砂糖になります。
そして、液体になると、形が変わりやすくなります。
つまり、液状の砂糖は、細長く伸ばすことができるんです。
綿菓子はどうやってできるのか
綿菓子機の中心にある砂糖用の容器の壁には、液状の砂糖が通るための小さな穴がたくさん開いています。
この容器が回転すると、熱せられた液糖のしずくが飛び散るようにして小さな穴を通過。穴から細い線状になって飛び出した液体は、綿菓子器の大きな空間に飛び込むと、あっという間に冷えて固形の砂糖に戻ります。
液体の砂糖は、熱くなったときに溶けたように、冷えると固体に戻ることができるのです。
でも、見た目はもとのような砂糖の結晶とはちょっと違いますね。そう、まるで糸のようです。
液状の砂糖が冷えて固体になると、綿菓子製造機の穴を通ることができるほどの細長い形を保ち、普通の砂糖のような大きくて固い結晶には戻らないのです。
そして、その小さな砂糖の糸が、ふわふわの大きな塊に巻かれたものが綿菓子。
砂糖を加熱してできたお菓子
砂糖は熱を加えたり冷やしたりすることで、結晶から液体、そして薄いふわふわの固体に大きく変化しました。
しかし、その甘い香りは液体でも固体でも状態によって変わりません。
加熱によって砂糖の状態を変えて新しいお菓子を作るには、他にどんな方法があると思いますか?
あなたは砂糖からできたお菓子を綿菓子の他にも知っていますか?
宝石みたいな飴、金平糖、和三盆、ぜひ家でも砂糖に熱を加えたり、冷やしたりしてできる砂糖菓子作りに挑戦してみてください。