雪の結晶は、上空で過冷却(※以下参照)された水滴が、塵(ちり)の粒子に付着して凍ることでできはじめます。
しかし、水が凍るとき、その分子は六角形に並ぶため、結晶の形は六角形になります。
以下に、雪の結晶がどのように形成されていくのかを見ていきましょう。
雪の結晶の作られ方
そして、この六角形をした氷の結晶は、空から落下するにつれて、より多くの水蒸気と接触するようになります。
その結果、氷の結晶の6つのそれぞれの角に水蒸気がくっついて、枝が伸びるように凍り始め、美しい雪の結晶ができるのです。
このとき、1つの雪の結晶におけるどの面も大気の状態が同じであるため、氷の枝は同じように成長します。
そのため、雪の結晶は左右対称になるのです。
しかし、雪片は一枚一枚違う大気中の経路をたどって地上に降りるため、それぞれが通る大気の条件は異なります。
それが、雪の結晶は2つとして同じものがないといわれる理由です。
※過冷却とは
水は0℃(液体が固体になる温度「凝固点」)で凍ることは知られています。
しかし、上空では、小さな水滴の粒がゆっくりと冷やされるため、0℃以下になっても凍らずに、液体のままでいることができます。
これが過冷却といわれる特殊な水の状態。
水の分子が自由に動き回れる液体のままで、固体のように安定した結晶構造をつくれない状態です。
この過冷却の水は、衝撃や振動などの刺激を与えたり、(氷を作る核となるような)小さな粒に触れると、そこから一瞬にして凍り(結晶化が進み)始めます。
上空では、上にいくほど気温は下がりますが、静かで刺激になるようなものがなく、そもそも水滴自体がとても小さく不純物が含まれないため、0℃をかなり下まわって冷却されても凍ることができない「過冷却」の状態ができやすいのです。
過冷却を使ったユニークな実験
大気中で、ごく小さなチリなどが核となって雪の結晶が生まれ、成長しながら地面に降りてくるのです。
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