私たちは、氷(固体の状態)には飛び込めませんが、水(液体)であれば水面を切り裂いて水中に入り込むことができます。
水という同じ物質なのに、一体何が違うのでしょうか?
それは、分子間力が違うからです。
分子間力とは、固体、液体、気体などのすべての分子間に存在する引力、つまり、分子同士がお互いにくっつこうとする力のこと。
(化学結合していない)分子間では、この力が強いほど、分子を引き離すのに大きな力が必要となります。
以下に、水と氷の分子間力の違いについてみていきましょう。
水と氷の分子間力の違い
さて、液体の分子間力はあまり強くはありません。
分子間力は強くないので、液体の分子はゆるく詰まっています。
すると、集まった分子の間に隙間(自由体積)ができ、それぞれの分子は、自分の周りに動きやすい空間的なゆとりがあるのです。
その結果、なんらかの力が加わると、分子はもとの位置からずれることができます。
たとえば、私たちが水に飛び込むと、その分子は元の位置からずれるため、水を切り裂いて水中に入り込むことができるのです。
一方で、分子間力が強い氷(固体)は、自由体積がかなり小さく、分子は身動きがとれない状態にあるため、私たちは飛び込んで入り込むことができません。
参照元:Why is a diver able to cut through water in a swimming pool?