同じ「電磁波」の一種の「光」は壁を通過できないのに、「Wi-Fi」はどのように壁を通り抜けて信号を送信しているのでしょうか?
それは、Wi-Fi電波と光波、それぞれがもつ周波数と波長の違いによるものです。
Wi-Fiの魅力の1つは、Wi-Fiルーターが遠く離れていたり、壁やドアで隔てられている場合でも、信号がデバイスに届くことです。
これをよりよく理解するために、Wi-Fiの基本的な仕組みからみていきましょう。
以下をもとにルーターを戦略的に配置することで、家全体のWi-Fi強度を最大化することができます。
Wi-Fiとは
基本的に、Wi-Fiは電波を使用してデバイス間で情報を送信します。
これらの電波は、光波と同様、電磁放射の一種です。
ただし、Wi-Fiの電波は光波よりも周波数がはるかに低く(2.4GHz、または、5GHzの周波数帯)、波長がはるかに長くなります。
この周波数と波長の違いにより、さまざまな種類の波が経路内のさまざまな物質とどのように相互作用するかが決まります。
光が壁を通り抜けられない理由
物体が光の通り道の邪魔をすると、光はその物の特性に応じて吸収、または、反射されます。
たとえば、光が壁やドアに当たると、壁の材料内の原子や分子が光を吸収、または、反射するため、光は壁を通過できません。
可視光を使って壁を通して見ることができないのはこのためです。
一方、Wi-Fi信号は、壁を通るときに弱まることはあれど、通過することができます。
Wi-Fiは壁を通り抜けられる
Wi-Fiの電波は、周波数が低く、波長が長いため、ほとんどの物質を簡単に通過できます。
これは、壁、ドア、さらには家具などの材料内の原子や分子が低周波の電波を吸収、または、反射する可能性が低いためです。
Wi-Fi信号は、物体に反射しながら、障害物の周囲を伝搬することができるのです。
その結果、Wi-Fiは壁やその他の障害物を簡単に通過し、 家のさまざまな部屋や建物内の他のフロアからでもインターネットにアクセスできるようになります。
ただし、Wi-Fi信号は常に干渉なく物質を通過できるとは限りません。
Wi-Fiの電波に影響を与えられるもの
特定の素材は依然として Wi-Fi信号を弱めたり、ブロックしたりする可能性があります。
たとえば、水は電波を吸収するため、Wi-Fi信号の経路に大量の水が存在すると、電波が弱くなったり、デバイスにまったく届かなくなったりする可能性があります。
そのため、壁の材質は、コンクリートよりも乾式壁の方が信号が通りやすいといわれています。
同様に、金属表面は、電波を反射して干渉したり、信号を遮断したりする可能性があります。
さらに、電子レンジやコードレス電話など、電波を使用する他の電子機器がWi-Fi信号に干渉を引き起こす可能性もあります。
Wi-Fiの電波を強く、安定させるコツ
では、Wi-Fi信号をより強く、信頼性を高めるにはどうすればよいでしょうか?
Wi-Fi信号を強化し、干渉を最小限に抑える方法はいくつかあります。
どちらも Wi-Fi の動作を改善し ます。
- Wi-Fi ルーターを壁やその他の障害物から離れた中央の場所に配置します。
- ルーターを本棚や机などの高い面に置き、信号が伝わる経路をより明確にします。
- 干渉を引き起こす可能性がある金属物、水槽などの大きな水容器、電子レンジなどの電子機器の近くにルーターを置かないでください。
- ルーターのパフォーマンスと信号強度が向上する可能性があるため、ルーターが最新のファームウェアに更新されていることを確認してください 。
- 家の特定のエリアで Wi-Fi信号が弱い場合は、Wi-Fiエクステンダー、または、ッシュネットワークの使用を検討してください。これらのデバイスは、Wi-Fi信号を増幅して、届きにくいエリアに配信するのに役立ちます。
Wi-Fi信号を楽しもう
数十年前は、ワイヤレス技術という考えは不可能に思えましたが、状況は急激に変わり、今日のハイパーコネクテッドな世界では、Wi-Fi のない生活を想像するのは難しくなりました。
Wi-Fi信号は、可視光とは異なり、 周波数が低く波長が長いため、 壁やその他の障害物を通過できます。
Wi-Fiのおかげで、ビデオのストリーミングもインターネットも、世界中の人とつながるのもすべて有線なしで行えるほどになったのです。
Wi-Fiの仕組みを理解し、電波の干渉を最小限に抑える方法を知ることで、 家や日常生活全体で強力で信頼性の高いWi-Fi信号を楽しむことができそうですね。