ハチは、ブンブン(ブーン)と羽音を立てながら飛びます。
ミツバチをはじめとする新翅類の昆虫は、羽を直接動かすことはありません。
その代わり、飛翔筋と呼ばれる胸の筋肉が、1秒に500回以上も高速に収縮しながらバネのように引っ張って羽ばたいています。
2つの飛翔筋のうち、一方が縮むと、もう片方が伸ばされて引っ張り返すことで、神経からの指令がなくても、互いに張り合って自ら振動し続けているのです。
この仕組みが高速な羽ばたきを可能にし、「ブーン」という羽音を出しています。
では、そもそもハチが音を立てて飛ぶのはなぜでしょうか?
ハチの羽音の理由
ミツバチは、1秒間に約200Hzの周波数で羽音を出すといわれています。
この羽ばたきが、周りの空気に振動を与え、この振動が私たちの耳に届くと、「ブーン」という音として感知する仕組みです。
つまり、ブーンという音は、ハチが飛ぶときの高速羽ばたきによって発生していたものです。
ハチが小さいほど、その羽音は速くなり、大きいほど遅く低く聞こえます。
受粉する
ハチが羽ばたくと、その羽音と体の振動によって、花粉が花から振り落とされ、ハチの体に付着します。
ミツバチは飛んでいないときにも、花粉を花から体に振りかけるために振動音をだします。
その花粉はハチが次に訪れた花に付着し、このような花粉の移動は「受粉」と呼ばれています。
このような受粉のおかげで人類が消費する食料の3分の1は、ハチのおかげで成り立っていると推定する専門家もいるほどです。
花粉を集めやすくする
また、ハチは、このようにして振り落とした花粉の一部を後ろ足に留めておき、巣に持ち帰って幼虫に与えます。
周囲に警戒させる
ハチは、巣や身を守るときためにもブーンと音を鳴らします。
ブーンという音は、周囲にハチを見かけたらその場から離れるよう警告しているのです。