さて、2,000人の赤ちゃんを産まなければならないと想像してみてください。
それはとても辛そうですよね?
実は、もしあなたがタツノオトシゴのオスなら、それは父親の仕事の一部なのです。
自然界には、大変な子育ての仕事をすべてこなす驚きの父親がたくさんいることが分かっています。
以下に、過酷な自然界で戦略を駆使し、さまざまな犠牲を払って子孫の生存を助けている4種の父親を紹介します。
絶食しながら卵を口の中で育てるナマズ
ハードヘッドナマズのオスは、親の犠牲を極限まで高めている生き物です。
卵を守るために、彼は、口にくわえて生活します。しかもそれは1個や2個ではなく、最大で65個にもなる可能性があります。
そのため、父親の口の中のスペースは卵でほぼ占められるようになります。
間違えて卵を飲み込んではいけないので、卵が育つまで2ヶ月以上にわたって食べることはできません。2ヶ月もの間、絶食生活です。
卵を背負って育てる水生昆虫
コオイムシ科の水生昆虫は、子育て中とても重い荷物を背負います。
メスが、オスの背中に最大で100個の卵を産み付けるからです。
オスは卵が成長するまでの2~3週間、食事もとらずにこのたくさんの卵を背負うことも。
さらにその期間は、卵と粘液がオスの羽を接着剤のように固めてしまうため、オスは飛ぶことすらできず、常に捕食者に狙われやすくなるというリスクも背負っているのです。
卵のせいで体重は重く、カタツムリのように歩くスピードもゆっくりに。
ただし、卵が孵化した後は、通常の生活に戻ることができます。
たくさんのメスの卵を1匹で育てるオス鳥
レア属の鳥に関しては、父親は、1匹のヒナを育てるだけでなく、たった一人で一度に複数のメスが産んだ卵を育てなければなりません。
繁殖期になると、オスのレアはできるだけ多くのメスを呼び寄せるために巣を作ります。
通常は1匹のオスに対して5~7羽のメスでグループを作り、そのシーズンに交尾をするのです。
しかし、メスたちは彼の巣に卵を産み付けると、そのまま逃げ去っていきます。
生後6ヶ月になるまで、30羽ほどのヒナを育てるのがすべて父親に任されるのです。
ひとり親であることの厳しさを知っているのは、他にもいます。
世界一過酷ともいわれる皇帝ペンギンの子育てです。
-60度で飲まず食わずの子育て
皇帝ペンギンのメスは、卵を産むとオスに託します。
ペンギンは巣を持たないため、オスは卵を守るために微妙なバランス感覚を働かせなければならなりません。
卵を凍った地面から遠ざけるために足の上で温めなければならないのです。
卵を守る間は、狩りをしたり餌を探したりすることはできません。
こうしてオスは、およそ60日間、マイナス60度の極寒の地で、何も食べずにじっと卵を守らなければならないのです。
しかし、オスの重労働はそれだけでは終わりません。
ヒナが孵化する頃には、父親たちは何週間も絶食して自身が飢えているにも関わらず、ヒナには餌を与える必要があります。
そこでお父さんは、食道から食べ物を吐き出して、母親が戻ってくるまでヒナに食べさせ続けなければならないのです。
こうして皇帝ペンギンの父親が、繁殖の間食べ物を食べられない期間はおよそ4ヶ月近くにも及みます。
いかがでしたか?
自然界には、ファーザー・オブ・ザ・イヤーにふさわしい動物のお父さんがたくさんいるようですね。