宇宙では、あなたも私も、そして地球も太陽も、太陽系も銀河系全体もすべて回っています。
これは皆さんもご存知かもしれませんが、ではなぜ回るのでしょうか?
例えば、地球は自転軸を中心に時速1,673km、秒速約465m/sで回転しています。
そして、その理由は驚くべきことに、46億年まえの太陽系の元になったガスの塊の回転が源にあるようです。これらのガスの回転運動がもつエネルギーが長い間保存され続けているのです。
さっそく以下に、宇宙での回転について詳しくみていきましょう。
回転の発生源
約45.6億年前、太陽系は、宇宙空間に漂うヘリウムや水素、チリからなる雲、つまり星雲のようなものから形成され始めたと考えられています。
ガスが宇宙の中をうねりながら移動するにつれて、ガスの一部はより濃く、また一部はより薄くなっていきます。
そして、何かが、おそらく近くにあった超新星などが原因で、ガスやチリが合体し始めます。
これらの粒子の重力が増すにつれて、それらは落下してまたぶつかりあい、回転し始めました。
面白いことに、この現象が起こるたびに、スピンは同じ方向、反時計回りに回転しました。
もちろん宇宙に上下はありませんが、回転の角度を順方向と考えれば、地球をはじめ、火星、太陽…宇宙のほとんどのものはすべて反時計回りに回転します。
なぜなら、それらはすべて角運動量(回転運動の勢い)を保存しているからです。
回転による運動エネルギーが保存され続ける
気体は互いに引力を受けながら絶えず動き続けると、空中に投げられたピザ生地のような形になります。
真ん中に丸みがあり、外側にゆるやかに広がった円盤状になります。
これは、物理法則により、宇宙で最もよく目にする形状です。
サイエンティフィック・アメリカン誌によれば、星間雲が回転して崩壊するにつれて、それらは断片化し、さらにその小さな部分がまた崩れ、また崩れます。
そして、次の数億年の間に、ガスが集まって融合し、太陽、惑星、小惑星、そして最終的には、さらに多くの時間を経て地球になるのです。
ただし、その間も、元の星雲の角運動量は維持されているわけで、最初のガスの角運動量が、その後のすべての自転の舞台を整えます。
時間の経過とともに遅くはなりますが、慣性は今も維持され続けているのです。
100年後の1日は2ミリ秒長くなりますが、最終的には、何か大きなものがぶつかってこない限り、私たちは回転し続けるでしょう。
回転の向きにルールはない
不思議なことに、金星は他とは逆向きの時計回りに回転しています。
金星の軸が、ある時点で逆さまになったか、反時計回りに回転していたのが止まり、逆回転し始めたかで、おそらく、大気の密度や太陽に近いことが原因でしょう。
天王星は横に倒され、自転がすべて狂っています。
マクロレベルでみても、宇宙にあるものはすべては回転しています。
天の川銀河は、地球(北極側)から見て時計回りに回っています。
2002年、ハッブル宇宙望遠鏡が発見した渦巻き銀河は、腕が後ろ方向に伸びて見え、時計回りに回転しているように見えますが、内側には反時計回りに方向に伸びる腕もありました
これが、腕が自転をリードしているように見える銀河NGC4622です。これについては、おそらくNGC4622が小さな銀河を飲み込んだことでこのような回転を見せているのだろうと考えられています。
このように回転方向には、どの方向から見るかにもよるので、厳密なルールはありませんが、いずれにせよ、宇宙のすべては回転しています。
エネルギーは長期にわたって保存されなければならないからです。
どうやら、フィギュアスケーターが腕を体に寄せたまま回転すると速く回転し、腕を外側に出すと回転が遅くなるといった単純な物理学がありますが、それは銀河系レベルでも機能しているようです。