多くの人が宇宙を探検することを夢見ていますが、実際には、それがどれほど大きな問題なのかを知ることすら難しいのかもしれません。
たとえば、ドイツのベルリンからロシアのモスクワまで、歩いて15日、車で19時間、一般的な飛行機では2.5時間で移動できます。
1秒間に約30万キロメートルすすむ光の速度(299792458 m/s)では、まばたきよりも速いわずか0.006秒で到着します。
信じられない速度をほこる光なら、1秒間もあれば地球を7週半することができるのです。
しかし、今日の私たちの宇宙船でさえ、光速の1%に達することすらできるものはありません。
史上最速の宇宙船はパーカー・ソーラー・プローブは、2018年に太陽に最接近する際の対太陽速度は約200km/s近相当に達しました。
これでもは光速のわずか0.064%です。
もし光速で移動できる宇宙船があれば、月までは1.2秒、火星までは6. 1分、太陽系で最も遠い惑星である海王星には4時間で到達できます。
つまり、私たちが想像する光速の乗り物では、太陽系のあらゆる場所に短時間で到達することができるのですが、宇宙の大きさに直面したとたん、この天文学的速度でさえもはるかに遅く感じることになります。
例えば、太陽に最も近い恒星系であるケンタウルス座アルファ星に行くには、光の速さで4.37年かかります。
天空で最も明るい星シリウスに行くには8.6年。
銀河系最大の恒星であるユイ・スクティ(UY SCUTY)に行くには、5,220年かかります。
光速で移動する宇宙船で銀河系の端から端まで行こうとすると、その旅はおよそ16万年かかるといわれています。
私たちの銀河系に最も近いアンドロメダ銀河に行くには250万年。
しかし、宇宙には何十億もの銀河があり、そのほとんどはアンドロメダよりはるか遠くにあるといわれます。
観測可能な宇宙とは、ビッグバン以降、光が到達するまでに時間がかかった宇宙のことで、その大きさは930億光年です。
つまり、観測可能な宇宙の端から端まで移動するのに光の速さで930億光年かかります。
言い換えれば、観測可能な宇宙の一方から他方へ行くのに光の速さで930億年かかるということですが、実際には、その期間に反対側に到達することはできないでしょう。
なぜなら宇宙は膨張しているからです。
光速で移動するにもかかわらず、この膨大な時間を考えると、太陽系は決して脱出できない牢獄のように思えてしまいます。
しかし、近道を見つけることができるかもしれないという理論もあるようです。
私たちが努力と研究を続ければ、最終的にどこまで行けるかはまだ誰にもわからないのです。