地球の内部は、層のような構造になっています。
それは、それぞれの層の密度が異なるからです。
しかし、現代のテクノロジーを駆使しても、人類は、地球の最も外側にある地殻でさえ3分の1程度(約13km)しか掘削できていません。
では、内部が固体なのか、液体なのか、空洞なのか、本当のところはどうなのでしょう?
幸いなことに、地球は激しく揺れ(地震)、時折その内部を吐き出す(噴火)性質があるため、研究者らは、地球の内部に潜ることなく、その内部について多くのことを知ることができます。
以下に地球の内部の状態について、層になった理由を合わせて紹介します。
密度の違いによって物質が層になる
私たちの周りには、地球の最も密度の低い部分である大気が外側にあり、2番目に密度の低い部分である地殻が私たちの足元にあります。
私たちは、土よりも密度が低いので、地面に沈んでいきません。
また、頭上には約1トンの大気がありますが、私を浮かせるほど密度は高くありません。
地球の主要な内部構造にみられる層も同じように構成されています。
地球内部の層の仕組み
今の地球の内部構造は、主に2種類の方法で層に分けられます。
地質学者は、地層がどのような状態なのか(圧力の影響による固さや流動性といった力学的性質)、あるいは地層が何でできているか(化学的組成)で分けるかによって、地球のさまざまな層に異なる名前をつけています。
化学的組成で分ける
どんな物質でできているかをもとに、地表から順に、地殻、マントル、核。
力学的性質で分ける
剛体(固体)であるかないかをもとにすると、以下の5つの層に分けられます。
リソスフェア(岩石圏):地表から約100kmの深さまでで剛体(固体)、いわゆる「プレート」の大部分があるところ
アセノスフェア(岩流圏):地表から約100mから200m下までをいい、固体ではあるが流動性があり、マントルの中で対流が起きている層
メンスフェア(固体):地表から250m付近から2900km付近まで
外殻(液体):約2900kmから5100kmの層で、外核内の運動(対流する液体金属)が磁場を生み出している
内核(固体):半径約1220kmの地球の最も内部にある地質層
しかし、なぜ地球がこのような組織になっているのかを本当に理解するためには、私たちの惑星が存在する以前にまで遡る必要があります。
地球内部に層ができた理由
かなり若い頃の宇宙では、水素とヘリウムが唯一でほぼ全ての元素でした。
これらの水素とヘリウムは星に凝縮し、核融合のプロセスを開始し、やがて炭素や酸素、ニッケルや金といった重い元素を宇宙へ吐き出しながら最期を迎えます。
その重元素のひとつである鉄は、超新星以外で生成された元素の中で最も安定した元素です。
そして、初期の宇宙ではたくさんの鉄が生成されました。
新鮮な水素とヘリウムは太陽のような新しい星を形成し、より重い元素は衝突して塵やデブリを形成し、それらが太陽系の惑星や月、小惑星、その他あらゆるものになっていきます(原始惑星系円盤)。
しかし、初期の太陽系内部は高温であったため、軽くて揮発性の元素はずっと外側でしか凝縮することができませんでした。
そのため太陽系内の4つの惑星は高密度で岩石質である一方、
外側のガス惑星は、理論上では軽いものでした。
そして、原始地球が大きくなった後、放射能と重力と激しい爆発が、岩石と鉱物の入り混じった厄介な混合物を溶かします。
そして、鉄やニッケルのような重い物質はコアに向かい、アルミニウムやシリコンのような軽い物質は地表近くにとどまり、ここで物質が分かれて整理されていきます。
地球の内核は剛体
地球の内核は、表面の300万倍以上の圧力を受けている、つまり、太陽の表面と同じくらい高温にもかかわらず、内核に含まれる鉄は液体ではなく固体である可能性が高いと考えられています。
外殻は液体であり、磁場を生むところ
外核は高温ですが、内核ほど圧力が高くないため、液体である可能性が高く、このことは、地表で地震が起きていることからもわかります。
ある種の地震波が地球を伝わるとき、液体の外核はその地震波を屈折させるか、あるいは完全に遮断し、地球の反対側に地震の影(シャドウ)ゾーンを作ります。地震の影ゾーンとは、地震波が検知できない特定の場所のことです。
家庭で圧力を使って金属を溶かしたいなら、1600万枚の銅貨を積み重ねればいいでしょう。一番下の小銭はすぐに液化するはずです。
また、外核のおかげで、私たちの地球は太陽風から守られています。
水星は太陽にとても近いので、その大気はとうの昔に吹き飛んでしまいましたが、幸いにも、私たちの惑星の外核は液体金属でできているため、大気は存在します。
地球深い外核の部位で起こる金属の対流が磁場を作り出し、地球を太陽風から守っているためです。
そうでなければ、私たちは宇宙からの致命的な放射線にさらされ、大気は吹き飛ばされ、地球は「生命のある」場所ではなくなってしまうでしょう。
実のところ、長い時間をかけて地球は冷え続け、液体の外核が徐々に固体になり、地球は少しずつ小さくなっていると考えられています。
どうやら、私たちが感じる地震は、地球が冷えていく過程で岩になる手前の状態を意味しているようです。
地球の内部構造が層になっている理由については、以下の動画で見ることができます。