太陽系で最も異常気象が起こる惑星とは?

宇宙天気 異常気象宇宙・航空科学
「宇宙天気予報」
・空から硫酸の雨
・何か月も荒れ狂う壮大な砂塵嵐
・時速1930kmを超える風
・地球全体を飲み込めるであろう巨大なハリケーン

ここでは、太陽系の他の惑星でみられる驚くほど異常な天気について紹介します。

地球に悪天候があると思っているなら、おそらく悪天候という定義を考え直すでしょう。

「水星」高エネルギー放射線浴

水星には大気がほとんどないため、実際の天気について語ることはできません。

しかし、水星は、「コロナ質量放出(コロナしつりょうほうしゅつ」と呼ばれる太陽系で最も強力な嵐の矢面に立たされています。

これらの太陽から放たれる爆発的なプラズマの嵐は、水星の表面に高エネルギー放射線を降り注ぎます。

濃硫酸の雲に覆われた金星

金星では、コロナ質量放出は水星ほど問題ではありませんが、残念なことに、惑星全体が有毒な雲で覆われています。

触れると皮膚を腐食させる「硫酸の雨」を降らせる雲です。

実のところ、硫酸の雨は金星の表面には到達することはありません。

なぜなら、約50kmから60km付近にある硫酸の雲から落下する硫酸の雨は、地表約30km付近の高温(約300度)高圧の大気にさらされてで蒸発してしまうからです。

この濃硫酸の雲は、金星に届いた太陽光を反射させるため、地球からみる金星は光輝いてみえます。

惑星全体を呑み込む火星の砂嵐

火星の砂嵐

火星の表面は岩だらけの砂漠です。

風が緩んだ砂の土壌を巻き上げて、エベレストの2倍の高さにも及ぶ巨大な砂嵐を生み出します。

しかし、それは、一度に数か月にわたって火星全体を飲み込む嵐に比べれば何でもありません。

実際に、NASAの火星探査車は、この砂嵐によって通信が途絶えたこともあるほど。

強烈な嵐といえば木星にもあります。

太陽系最大の嵐「木星」

太陽系の惑星のなかでは一番大きい天体「木星」には、惑星を2つも3つも飲み込んでしまうほど太陽系最大の嵐によって生じる渦があります。

大赤斑」と呼ばれ、少なくとも300年にわたって猛威を振るっているハリケーンのような嵐です。

さらに木星には別の嵐もあり、それはカテゴリー5のハリケーンの2倍の風速をもつほど強力です。

赤い楕円形の「BA」で、別名「小赤斑」として知られています。

しかし、それは決して小さいわけではなく、実際には地球とほぼ同じ大きさの嵐であり、2000年に天文学者が地球を発見して以来、その大きさは大きくなっているといわれています。

六角形のジェット気流をもつ土星

隣の惑星、土星には、北極付近に六角形の巨大なジェット気流があます。

その6つの異なる面はそれぞれ地球そのものよりも大きく、六角形の中心には、地球でみられる平均的なハリケーンの目の50倍もある巨大な回転雲系があります。

冬が21年間続く天皇星

その隣の天王星の傾きをみると、横向きに回転していることに気づくでしょう。

その結果、天皇星では、太陽系の他のどの場所よりも季節が極端になります。

たとえば、冬には日光がありません。

また、天王星は太陽から遠く離れているため、冬は地球年に相当する21年間続き、気温は摂氏マイナス216度に達することもあります。

最後になりましたが、最も重要なのは海王星です。

時速1930kmを超える風が吹く海王星

最も風の強い惑星と呼ばれる海王星では、時速1930kmを超える風が吹くこともあります。

これはなんと地球上の音速の1.5 倍で、ニューヨークからロサンゼルスまではわずか2.3時間で到着できるほどの速さです。

いかがでしたか?

酸性雨や砂嵐の悪魔、超高速の風に比べると地球の悪天候なんてかわいいものだと感じるようになるでしょう。暑すぎず、寒すぎず、風が強すぎず、ちょうどいい感じなのかもしれません。

参照元:Most Extreme Weather On Other Planets