なぜ、汗はシャツを黄色くするのか?

2018年1月26日

ある日突然、白いTシャツの脇に、黄色いシミ。

この恥ずかしく、腹正しい存在でもある「脇の黄ばみ」は、まだほとんど着ていない服にもできやすく、洗ったところでなかなか落ちません。

それほど厄介者であるがゆえに、まだ十分に着れる服であっても、黄ばみが原因で服を破棄してしまう人も少なくはありません。

実際のところ、汗は、黄色ではなく無色なのに、どうして衣類は黄色く変色してしまうのでしょうか。

ここでは、脇汗による黄ばみの原因について、科学的に分かりやすく紹介していきます。

脇汗による黄ばみの原因

実は、汗が黄色いシミになってしまう主な原因は、制汗剤によるものだといわれています。

どうやら汗が無色なのは、制汗剤の化合物と反応するまでのようです。

アポクリン汗腺から出る汗について

人の汗腺には、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の2つの主要なタイプがあり、そのうち、脇を黄色くしている犯人は、「アポクリン腺」の方です。

アポクリン汗腺は、思春期までは見られませんが、基本的に、頭皮や脇の下、生殖器周辺など毛が濃い部分に集中してあります。粘度の高い汗を作り出し、それが毛嚢(もうのう:皮膚の毛を包んでいる部分)を介して、肌に分泌されていきます。

さらに悪いことに、この黄ばみの原因となる汗は、暑い時期に生産されるだけではなく、不安に感じたり、感情が高まったりした時にも分泌されます。いわゆる「脂汗」と呼ばれるものです。

そして、この粘度の高い汗に含まれている脂肪とたんぱく質が黄ばみを生む大きな原因となってきます。

汗が黄ばみになるまで

通常、脇の下の臭いは、おならの匂いと細菌の関係(腸内の悪玉細菌が肉類などのタンパク質や脂肪を分解したときに生じる)と同じように生成されます。

汗そのものは無臭です。汗に含まれるタンパク質や脂質をエサにしている皮膚の常在菌が、それを分解するときに放出するガスが臭いの原因なのです。

そして、この臭いを解消するために、化粧品会社が制汗剤を作っています。

これらの制汗剤には、塩化アルミニウムと呼ばれる化合物が含まれています。これが、アポクリンの汗腺をふさぐゲル状のフタのような働きをして、あまり汗をかかなくなる仕組みです。

しかし、同時に、制汗剤のアルミニウム成分はあなたの汗と化学反応を起こして化合物を作り出し、それが衣類の生地に黄色い染みを根強く染みつけていきます。

制汗剤によって、汗はかきにくくなるかもしれませんが、落ちにくい黄ばみが生じるというわけです。

また、なかには制汗剤を使わないのに黄ばみができる人もいるかもしれません。

その場合は、アポクリン汗腺から分泌される汗に含まれる脂質やタンパク質、鉄分などの成分が洗濯でも落ち切らずに衣類に吸着され、それが空気にさらされることで酸化して、黄ばみとなったものです。

黄ばみ対策

幸いにも、黄ばみを防いで、服を白く保つためにできることがいくつかあります。

まず、アルミニウムを含まない制汗剤を選ぶこと。そして、シャツを着る前に、制汗剤を完全に乾かすことです。

また、黄ばんでしまった衣類は、酵素を配合した洗剤で洗ってみてください。酵素は、黄ばみの原因となるタンパク質に反応して、それを分解し、落ちにくい黄ばみ汚れを取り除くのに効果的です。