植物は種から、鳥は卵から生まれることを知っていますが、その小さな種が育つのに最適な場所を作ってくれる「土」はどこから来たのでしょうか?
以下に、私たちの身近にある土が岩からどのようにして作られているのかを紹介します。
土ができる場所は、いつも外です。土は、自然の中で日常的に起こっていることで、常に作られているのです。
土のほとんどは、小さな岩のかけらでできています。
何百年、何千年もの時間をかけて、大きな岩がゆっくりと小さく砕かれたものです。
このように、土が岩から生まれるには、いくつかの方法があります。
土が生まれるプロセス「風化」
例えば、川や海の波が岩にぶつかったり、強風が岩に吹き付けたりすることも土が生まれる要因となります。
風や水が岩をゆっくりと砕き、それによってできた小さな破片が流されて、やがて土となるのです。
また、岩石が蓄積して、たくさんの重い岩石の下敷きになることもあります。
すると、上の岩が下の岩とずれたり、こすれたりして、主に下の岩が細かく砕けてしまいます。
岩の穴に入り込んだ雨水が、冬になって凍り、その氷が岩をゆっくりと割っていくこともあります。
このように岩が細かく砕けていくことを「風化(ふうか)」といいます。
そして、植物や動物も岩を風化させることができます。
植物が成長する過程で、根が岩を割ったり、モグラのような土を掘る動物が、岩の周りに穴を開けて岩を傷つけたりするのです。
岩の種類によっていろいろな土ができる
さて、岩にはたくさんの種類があり、岩石の種類によって作られる土の種類も違います。
岩も土も、いろんな色や形をしていますよね。
たとえば石英(せきえい、クオーツ、水晶)のような岩はとても硬いので、風化するのに時間がかかり、風化すると砂のような硬い粒状の土壌になります。
一方、泥や粘土鉱物が体積した岩石は、薄く割れやすいのでもう少し簡単に壊すことができます。
たとえば、頁岩(けつがん)は、風化して小さな破片になり、粘土のような厚くて柔らかい土壌になります。
土を構成しているもの
土には、岩だけではなく、生き物や、かつて生きていたものの破片も含まれています。
枯れ葉や、古い丸太や植物の茎の一部、何ヶ月も何年もかけて分解された古い骨や毛皮も、すべて土の一部です。
科学者たちは、これらの植物や動物、菌類の破片を「有機物」と呼んでいます。
有機物には、植物が生きていくために必要な栄養分がたっぷり含まれています。
有機物がたくさんある土は、植物の成長にとても適しているのです。
土の中には、有機物があまり含まれていない種もあります。
有機物が多い土はどうやって見分けるのか?
一般的に、有機物は真っ黒なので、有機物がどれくらいあるかは、土の色の濃さから推測できるでしょう。
黒に近ければ近いほど、有機物が多く含まれており、花を育てるのに適しているようです。
土は長い年月をかけて生まれる
土は自然の中で毎日作られていますが、とても長い時間と年月をかけて生まれます。
外の土は、一番上の層だけでも100年はかかっているのです。
それらは、毎日石や有機物がわずかに変化して、少しずつ土になっています。
次に自然の中を散歩する機会があれば、周りの土の色から何がわかるかをよく観察してみましょう。
外で土が作られている場所に気づくためには、木の根が岩を風化させているのか、枯れ葉などの有機物が混じっているのかなど、ちゃんとメモを取らないといけませんね。
なんだかワクワクしてきませんか?発見したことを、記録することができれば、あなたも土壌科学者の仲間入りです。