月も自分の月をもつことができるのか?

月も自分の月をもつことができるのか?宇宙・航空科学

なぜ、地球の月は、自分の月(衛星)をもたないのでしょうか?

実は、月が自分の周りを回る月(以下よりサブムーンと記す)をもてる可能性はゼロではないようです。

しかし、理論的に実現できたとしても、それは長続きしないと考えられています。

以下にその理由をみていきましょう。

軌道についての基本的な科学は、とてもシンプルです。

軽いものはより重いものの周りを回り、より重いものはさらに重いものの周りを回る。

例えば、月は地球の周りを回り、地球は太陽の周りを回り、太陽は銀河の中心の周りを回っています。

では、その逆はどうでしょう。

質量(物質のもつ量そのもので、地球でも宇宙でも変わらない)のあるものはすべて、ある程度の引力(ものを引きつけようとする力)をおよぼします。

ホッチキスが机の周りを回ることはないかもしれませんが、引力が十分にあれば、何かがその周りを回ることはあり得るはずです。

しかし、その可能性はかなり低いようです。

月が自分の月をもつための問題と解決方法

主な問題は、月の周囲にはすでに多くの巨大な物体が存在し、それぞれが引力をおよぼしていることです。

少なくとも、月の場合、地球と地球が周りを回っている太陽があります。

このように、月の周りでは、惑星や太陽などによる複雑な引力が働いているため、月がサブムーンを手に入れるための最も可能性の高い方法は、自分でサブムーンをつかまることです。

例えば、月よりも小さな小惑星がたまたまちょうど良いぐあいに通りかかって月の軌道にのったとしたら、地球や太陽からの強い引力があるにもかかわらず、月の引力によって周りを回るようになるかもしれません。

しかし、たとえ月がサブムーンを手に入れたとしても、周りの惑星による大きな引力がその軌道を不安定にするため、月や地球にサブムーンを衝突させてしまうことも考えられます。

あるいは、サブムーンが月以外の引力の影響によって、月の軌道を外れて宇宙へ飛び出していくかもしれません。

地球の月のように、太陽系の惑星は、それぞれの軌道を回る衛星をもっていますが、それらの衛星の周りにサブムーンがないのは、おそらくこのためでしょう。

どうやら衛星がサブムーンをもつことは理論的には不可能ではないようですが、ただそれが実現できたとしても長くは続かないようです。

衛星と惑星の距離、それぞれのサイズが問題

しかし、衛星自身の大きさや(回っている)惑星との距離が十分にあり、捕まえたいサブムーンのサイズが適度に小さければ、どこかでそれが起こる可能性はあります

衛星が十分に離れていれば、惑星はもはやその衛星の周囲で起こっていることにそれほど強い影響を及ぼさないためです。

また、つかまえたサブムーンが小さくて衛星自身が十分に大きければ、基本的には実際に近くにある巨大なもの(ここでいう衛星)からしかサブムーンは影響を受けません。

それが、月の周りを回る人工衛星が、地球の影響を受けない理由です。

惑星の衛星がサブムーンをもっていた可能性はある

実際に、木星の衛星「カリスト」や土星の衛星「タイタン」、「イアペトゥス」、そして、私たちの月でさえも、昔は小さなサブムーンを持っていたと考えられる条件をクリアしているのです。

さらに有望なことに、科学者らは最近、ケプラー1625bと呼ばれる太陽系外の惑星が衛星をもつことを発見しました。

その衛星は、地球から観測できる初の太陽系外衛星候補として完璧なものであるかもしれないのです。

もし将来的に、衛星にとらえられたサブムーンが発見できれば、惑星や惑星系全般の形成について、特に軌道の近くを回る天体がお互いにどのような影響を及ぼすかなど新しい発見につながることが期待されています。

参照元:Can Moons Have Moons?