三葉虫は、5億年も前、恐竜が生まれる前から海に生息していた(今の)ダンゴムシの仲間だと考えられています。
ここでは、三葉虫とはどんな生き物なのか、どこで、どれくらいの期間生存していたのかなどを紹介していきます。
三葉虫の存在を知ることができたのは、化石のおかげです。
科学者らは、化石からの手がかりをもとに、それがどんな動物なのか、今の動物たちと関係があるのかなどを想像しながら、昔の暮らしがどのようなものだったかを導き出していきます。
今あるものを見て、大昔と同じもの、違うものを見つけ出して、パターンを探しだすのです。
もう存在しないような大昔の生物でも、彼らの親戚のなかには、今でも見ることができる生物がいます。
たとえば、恐竜です。恐竜は、大昔に絶滅しましたが、今も生きている動物に関係があると考えられています。
何だかわかりますか?
そうです、鳥です。鳥は恐竜の親戚なのです。
そして、はるか昔に絶滅した三葉虫にも、今も生きている親戚がいるのです。
三葉虫の化石から分かること
三葉虫の化石が発見されたのは、5億年以上も前の古生代と呼ばれる時代の地層。それから3億年ほどの期間で生存が確認されています。
化石は、大昔の動物や植物が残した手がかりで、当時の生活を理解するのに役立ちます。
では、 三葉虫が多く生息していた頃の地球がどんなだったかを想像してみましょう。
科学者によると、当時の地球は今よりもっと暖かかったそうです。
ほとんどの生物は 海に住んでいました。
実際、三葉虫が生きていたといわれる5億3千万年前、地球の大部分は海に覆われていたと考えられています。
今ある地球の陸地は、長い歳月の中でゆっくりと移動し、その形を変えているのです。
三葉虫は海に生育していた
化石そのものと、その近くにあるものを見れば、その生物が生きた時代のヒントが得られます。
実は、三葉虫の周りの岩石から、海に住んでいた他の動物の化石が見つかったため、三葉虫も海に住んでいたことがわかったのです。
では、実際の三葉虫の化石から、他に何がわかるのか見てみましょう。
三葉虫はどんな生き物か
まずは、三葉虫の大きさです。1円玉くらいから40cm近いものまで、三葉虫の化石はいろいろな大きさのものが発見されています。
次に、三葉虫がどのような姿形をしているかも見てみましょう。
体節と呼ばれる体の構造をたくさん持っています。
つまり、三葉虫の体は多くの節に分かれていて、それぞれが私たちの関節のように連携して動いていたのです。
また、三葉虫は丈夫な殻で身を守っていたと考えられています。
周りを見渡すと、この三葉虫のように体節があり、硬い外殻をもつ動物がいることに気付きましたか?
甲殻類のダンゴムシです。
実際に、ダンゴムシには14の体節がありますが、他にも昆虫やクモ、ムカデ、カニなど硬い殻に覆われて、たくさんの体節をもつ動物がいます。
これらのことから、三葉虫は節足動物の親戚だと考えられています。
節足動物とは、昆虫・甲殻類・クモ・ムカデなど、外骨格と関節を持つ動物を含んだ分類群
他にも似たようなパターンがあります。
化石の写真ではわかりにくいのですが、三葉虫には足がたくさんあるのです。
ダンゴムシにも14本の足があります。
このように、三葉虫の化石と節足動物を比較して、見つけた共通のパターンから、科学者らは想像力を働かせて昔のことを知ろうとするのです。
私たちも、タイムトラベルはできなくても、想像力を働かせることはできます。
ぜひ、外に出て節足動物を見つけ、三葉虫との共通点を探してみてください。
科学者のように、今あるものを見て、昔の暮らしがどんなものだったかを想像するなんてとてもワクワクしませんか。