鉛筆は、私たちの身の回りのいたるところにありますが、ずっと昔からあるわけではありません。
鉛筆ができる前、人々は何を使って字を書いていたのでしょうか?
ペンやクレヨン、マーカーといったものが発明される前の時代、昔の人はどうやって字を書いていたのでしょうか?
以下に、鉛筆はどうやって作られたのかについて、鉛筆の興味深い歴史とともに紹介します。
鉛筆の前に使われていたもの
最も歴史の古いペンのひとつに「羽根ペン」があります。
人々は、7世紀ごろから大きな羽根を使い、ペン先をインクの入った瓶に浸して字を書いていました。
しかし、羽根とインク瓶を使って字を書くと、何か問題が生じる可能性があると思いませんか?
インク瓶が倒れてしまったり、羽根のペン先がつぶれるたびにナイフで形を整えたりする必要があったのです。
では、インク瓶を使う代わりに、何か固いもので書いてはどうでしょうか?
たとえば、木片を燃やすとできる炭。炭は字を書くのにとても適しています。
炭はインクのようにこぼれないだけでなく、持ち運びも簡単です。
しかし、残念ながら炭にも問題はあります。
持つと手が黒いススだらけになり、さらに悪いことに、柔らかいので字を書くときに砕けやすいのです。
そこで鉛筆の登場です。
鉛筆のメリット
鉛筆ならインクと違ってインクがこぼれず、木片の中に入っているので炭が手につくこともありません。
実は、鉛筆の中に入っているものは、木炭よりも優れています。
鉛筆の中に入っているものは、黒鉛(こくえん)と呼ばれる素材で、木炭に似ていますが、砕けにくいので、紙の上に小さな破片が残ることはありません。
では、このような黒鉛をどうやって木の中に入れたのでしょう?
長い木片を彫って、真ん中に小さな穴を開けるのでしょうか?
その秘密は、木でできたサンドイッチを作ることにありました。
昔の鉛筆の作り方
まず、サンドイッチでいう2枚のパンの代わりに2枚の木材を用意します。
そこに接着剤を塗り、平らな黒鉛を2枚の木材の間に挟みます。
それを上から押し付けると、鉛筆のようになるのです。
当初の鉛筆は、平らな黒鉛の切れ端を2枚の木の板で挟み、それをナイフで削って使うスタイルのものでした。
実のところ見た目こそ違いますが、現在の鉛筆も作り方は同じです。
削っていない鉛筆をよく見ると、黒鉛が2つの木で挟まれているのがわかります。
鉛筆の中に、小さな線が入っているように見えるものがあることにお気づきでしょうか。
それは、2枚の木片を接着剤でくっつけたからで、その接地点が見えるのです。
現在、ほとんどの鉛筆は工場で機械によって作られています。
このようにして作られた現代の鉛筆発明は、インクがこぼれたり、木炭が散らかったりといった筆記に関する問題の多くを解決したのです。
以下は、鉛筆がどのようにしてできるのかを紹介した動画です。