100℃で沸騰したお湯は、それ以上の温度にはならないはずなのに、熱湯よりも水蒸気の方がやけどをしやすいのはなぜなのでしょうか?
それは、同じ100度でも、水蒸気は気化潜熱をもつため、より大きなエネルギーを伴っているからです。
以下に気化潜熱とは何かをもとにその仕組みを分かりやすく紹介します。
気化潜熱とは
沸騰した水には、沸騰するために必要な熱エネルギーが一定量しか含まれていません。
しかし、沸騰した水(液体)から水蒸気(気体)が発生するとき、蒸気には、沸騰水の熱エネルギーだけでなく、気化潜熱が含まれています。
やかんの水が沸騰するときの気化潜熱とは、沸騰した水が温度変化なしに沸点で水蒸気(気体の状態)に変わるときに必要な熱エネルギーで、周囲から奪う(吸収する)熱です。
したがって、この気化潜熱分だけ蒸気の方が熱エネルギーが大きいので、熱湯よりもやけどがひどくなる可能性があります。
ちなみに、水が液体から(無色透明)水蒸気に状態変化したあとに、大気に触れて急劇に冷やされると水蒸気(気体)は再び液体に戻ってしまいます。
この液体が「湯気」と呼ばれる白い煙の正体です。
参照元:Why does steam cause more severe burns than boiling water?