石けんはどうやって汚れや菌を落としているのか?

石けんの働き身近なふしぎ

これは一般に固形石鹸として用いられているものの分子で、化学名ではステアリン酸ナトリウムといわれています。

固形石鹸の分子

これは油になじむ(親油性)の尾部と水になじむ(親水性)の頭部の2つの部分で構成されています。

固形石鹸の分子の尾と頭の2構造

親油性の尾部は脂肪、油、脂質、非極性分子と作用しあい、親水性の頭部は水やその他の極性物質と作用しあいます。

この構造は石鹸の洗浄力と殺菌力の鍵となります。

なぜなら、石鹸を使わずに手を洗うと、水に溶ける汚れしか落とせません。

水だけでは油性物質に働きかけることができないため、油性物質を取り除くことができないのです。

しかし、石鹸で手を洗うと、親油性の尾部が油性の汚れにひっついて、ミセル(micelle)と呼ばれる球状構造が形成されます。

ミセル

手を水で洗い流すと、水分子が親水性の頭部となじみ、その結果、ミセルは水分子によって運び去られ、汚れが手から落ちます。

細菌は、脂質細胞膜を持っているため、石鹸で手を洗うことで、この親油性の尾部が膜に付着し、水流の力で細菌の膜が破れて洗い流されます。

石けんの働き

石けんの働き②

石けんの働き③

人類は古代から石鹸を使ってきました。

石鹸は簡単に作れて、汚れや細菌に効果的だと分かってきたからです。

今日では固形石鹸ではなく液体石鹸が主に使われています。両者とも効果は同じですが、小さな違いがあります。

固形石鹸は水酸化ナトリウム、または、苛性ソーダで作られ、液体石鹸は水酸化カリウム、または、苛性カリで作られています。

いずれにせよ、固形石鹸と液体石鹸はどちらとも​汚れや菌の予防に役立ちますので、適切に取り入れてください。

error:Content is protected !!