ドライアイスが危険な理由

キッズサイエンス

ドライアイスは、気体の二酸化炭素を固めて固体にしたものです。

表面温度は摂氏約-78度。

つまり、水からできている普通の氷よりもずっと温度が低いのです。

温度が低いため、保冷剤としては役立ちますが、ドライアイスが皮膚に触れると、数秒後には皮膚細胞が凍りつき、死んでしまうので扱いには十分な注意が必要です。深刻な凍傷にもなりやすいといわれています。

また、ドライアイスを密閉容器に入れて保管することも危険です。

以下にドライアイスが危険な理由について、ドライアイスの作られ方やその科学的な性質を元に紹介します。

ドライアイスを密閉容器に入れてはいけない理由

ドライアイスは、気体の二酸化炭素に圧力をかけて液体にし、その液体を冷却して固体にしたものです。

こうしてできたドライアイスは、密閉容器に入れると危険です。

なぜなら、ドライアイスは、温度が上がってとけても液体にはならず、(-79℃以上では)固体から直接気体に変化するからです。この現象を「昇華」とよびます。

圧縮してできたドライアイスが昇華して気体になると、体積が750倍にまで膨れるため、気密性の高い容器では、その発生したガスが溜まってしまうことがあるのです。

その結果、容器の壁に圧力がかかり、危険な破裂につながる可能性があります。

一方で、温度が上がっても液体にならないので、物をぬらさずに冷たく維持できる点が保冷剤として適しているのです。

白い煙は何?

ドライアイスから出る白い煙は、二酸化炭素ではありません。ドライアイスが昇華して出る二酸化炭素は、無味無臭で目には見えないものです。

白い煙は、周囲の空気中にある水分がドライアイスによって冷やされたもの。空気の中に含まれている水蒸気が、冷やされて液体(または氷)の水の粒となった姿です。

太陽や雲が白く見える理由と同じように、水滴の中で光が、ありらこちらに跳ね返る(散乱する)ことで、煙が白く見えているのです。

参照元:Why is dry ice so dangerous?