バッタは耳が聞こえないと思っている人は多いかもしれませんが、そうではありません。
ただし、私たちの耳にあたる聴覚器官は、バッタの場合、ちょっと変わったところにあります。
腹部(脚の付け根付近で羽根に隠れた部位)の両側に、音波に反応して振動する膜があるのです。
以下に、バッタが音を聞くための聴覚器官の仕組みについて紹介します。
バッタの聴覚器官の仕組み
バッタには外耳はなく、お腹に「鼓膜」と呼ばれる聴覚器官と、空気の入った袋があり、これが内部の音の通り道となってバッタの聴覚を助けています。
自然界では、聴覚は生きていくうえで重要な存在です。
バッタの音を聞く仕組みはとても正確で、音源の方向を識別する能力に優れています。
たとえば、メスが交尾の相手を探している音を聞くだけで、オスはメスの正確な位置を特定できます。
さらに、バッタは、鳴き声から他のバッタの大きさを判断できます。
声からそのバッタが大きいと判断した場合、オスは争いを避けるためにそのバッタのテリトリーには入りません。
音波を受診する単純な構造
バッタの聴覚器官は、ほとんどの昆虫と同じように単純な構造をしており、音の大きさやリズムの違いは分かりますが、音程を聴き分けることはできません。
そもそも、メスはオスが上手に歌えるかなど気にしないため、バッタの奏でる歌にメロディーがあるわけではありません。
種ごとにもつ特徴的な鳴き声のリズムによって種の違いを見極めたり、求愛の合図を見つけたり、捕食者の訪れを察知したりすることができるのです。