犬はあなたが生まれる前から守っている?一体どうやって?

人体の不思議

実は、犬のよだれやその他のペット汚れは、私たちを(特に母親のおなかの中にいる頃から)守るメリットにもなるかもしれないのです。

以下に、母親の妊娠中から犬がどのようにあなたを守ってくれるのかをみていきましょう。

犬を飼う人の多くは、献身的に尻尾を振ったり、抱き締めたくなるようなかわいさをもつ犬との交友関係に飼う理由があるといいます。

また、補助や保護のために犬を飼う人もいます。

そういった犬からの恩恵は、泥だらけの足跡やよだれまみれなど、犬のあまり好ましくない特徴を売っち消してしまうほどの魅力があります。

しかし、それ以上の恩恵を犬は私たちに与えてくれているようです。

犬と生活することのメリット

犬や猫は、家庭内の微生物(細菌)群集に大きな影響を与えるため、妊娠中に母親が犬や猫と一緒に暮らしていると、子供の頃にアレルギーに悩まされる可能性が約30%低くなるといわれています。

これはとても不思議で、なぜそうなるのか正確にはわかっていませんが、最も可能性の高い説明は 「衛生仮説(えいせいかせつ)」と呼ばれるものです。

衛生仮説とは、幼い頃に、特定の微生物にさらされたことが免疫系の発達につながり、それがアレルギー性疾患から身を守るという仮説。

実際に、アーミッシュ(昔ながらの生活を大切にしている集団)の子供たちは、現代の西洋化された世界よりも、一般的なアレルギーや喘息に悩まされることが少ないことが分かっています。

免疫システムとの関係

これについて科学者たちは、彼らの免疫システムが、発酵した飼料や牛糞、その他の納屋にあるさまざまな汚れ、バクテリアや細菌などにさらされることで、より十分に発達するからだと考えています。

免疫システムの重要なポイントは、外からやってくるバクテリア、ウイルス、移植された体の一部、あるいは傷ついた自分自身の細胞を認識し、無力化する細胞であることです。

体内の健康な細胞には特徴的なタンパク質があり、免疫細胞はそれを「あなた」の一部と認識します。

一方で、「あなた」のタンパク質を持たない侵入者や不健康な細胞には、注意深い監視のためのフラグが立てられるのです。

もし「あなたではないもの」が大きな害を及ぼし始めたら、免疫細胞はそれを攻撃し、今後それに対して迅速かつ強力に行動するよう注意を払います。

基本的に免疫システムは、あなたの体にとって何が無害で、何が危険な侵入者であるかを学習するのです。

幼児期に清潔すぎることが意味するもの

しかし、免疫システムが侵入者を誤って識別したり、そもそも誰が誰なのかを正しく学習しなかったりすると、私たちの体は無害な物質に対して過剰に反応してしまうことに。

ちょっとしたハチに刺されただけで、生命を脅かすほどのアレルギー反応を起こしてしまうのはその一例です。

欧米諸国では、アレルギーや喘息といった免疫系の過剰反応に苦しむ子供たちの割合が、過去40年ほどでおよそ2倍になっています。

衛生状態や上下水道処理などの改善により、感染症がかなり少なくなったにもかかわらずです。

どうやらアレルギーや喘息の増加の一因は、私たちの生活環境が清潔すぎて、幼少期に免疫システムが誰が誰なのかを学ぶ機会を適切に与えられないことにある可能性が高いようです。

幼児期は免疫システムの学習能力が高い

私たちが若いうちに外国語を習得するのに長けているのと同じように、私たちの免疫システムも、幼少期に無害な異物と有害な異物を区別する能力を身に着けるのに長けているのです。

そのため、胎内にいる間に犬のよだれかけや子猫の毛玉、泥だらけの足跡を母親の周りにつけておくと、生まれる前から免疫システムが適切なスタートを切ることができるかもしれないというのが専門家の見解です。

あなたがお腹にいるときに、母親が余分なバクテリアにさらされることが、あなたにどのような影響を与えるのかについては、まだ正確にはわかっていません。

しかし、出産前と出産後にペットを飼うことで、あなたの免疫細胞が間違った方向に吠えるのを防いでくれるかもしれないことは確かなようです。

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