一般的に、生きている人の胃は1.5リットルまでの食べ物や飲み物を蓄えることができます。
では、胃の容量の限界点はどこで、私たちはどれほどの食べ物を食べることができるのでしょうか?
驚くかもしれませんが、胃の容量は体の大きさとは関係ありません。
研究では、体重よりも大食漢や過食症のような「むちゃ食い行動」の方が、胃の容量に関係が深いと示されています。
興味深いことに、肥満女性よりも、過食症女性の方が胃の容量は大きいようです。
胃の容量の限界とは?
基本的に胃は、満腹になった後も食べ続けると、風船のように伸びて、さらに食べ物を入れるスペースを確保できます。
一般的な人の胃の容量は、空っぽの状態では100mlにも満たないものですが、1.5リットルの食べ物を入れるために膨らむことができるのです。
1~1.5リットルの時点で胃は、通常以上に引き伸ばされているので不快感を感じるかもしれませんが、まだ問題はありません。
3リットルの食べ物でもダメージを受けないという報告もあるくらいです。
しかし、この先、胃は満腹になり、それ以上膨らませることができなくなります。
なぜなら、咽頭反射(吐き気を起こす反射)が働いて、胃の中の物を吐き出してしまうからです。
限界を越えた胃の状態
しかし、何らかの理由で吐かずに4リットルくらいまで飲んでしまうと、食べ物の圧力で胃が破裂してしまうことがあります。
(胃薬などに含まれる)重炭酸ナトリウムの摂取量を間違えてたくさん飲み過ぎてしまった場合などがそれにあたり、胃の中で急激にガスが発生したことで、咽頭反射スピードがそれに間に合わずに胃が破裂してしまうケースです。
死体の場合は、咽頭反射が起こらないので、胃は、4リットル程度で破裂するといわれています。
そうなると胃の壁に穴が開き、食べ物が胃から漏れて、体に致命的な損傷を与えてしまう可能性があります。
胃は伸びる
胃は伸縮性のある器官です。
食べたり飲んだりする量が多ければ、それにあわせて胃は伸びることができるのです。
そして、通常は、食べ物を消化すると元の大きさに戻ります。
この空の状態の胃はあまり大きさを変えることはありませんが、継続的に食べ過ぎると、胃が常に伸びた状態となるので、膨張しやすい(容量が大きい)胃になるようです。