「タバコでガソリンのたまりに引火」はウソ?

身近なふしぎ

ガソリンのたまりにタバコを放り投げでも、炎が上がることはありません。

タバコはガソリンよりもはるかに燃焼温度が低い傾向があるうえ、燃えやすいのはガソリンの液体そのものではなく、気化した気体の方だからです。

ある研究では、ガソリンと火のついたタバコを使った燃焼実験で、2,000通り以上を試した結果、一度もガソリンに引火することはありませんでした。

一度もです!

どうやら条件が完全に完璧にそろわない限り、ガソリンのたまりにタバコの吸殻を放り込んでも、炎が上がることはまずないようです。

さらにいうと、ガソリンに引火する可能性が高いのはタバコの吸殻よりもライター。

では、以下にその理由をもう少し詳しく見てみましょう。

ガソリンの引火要因

タバコの火は、中心部では800度以上で燃焼する傾向があります。

さらに、人が繰り返し吸う行為によって、酸素が送られ続け、より熱く燃焼されます。

ただし、人が吸っていないときは、温度が大幅に低下し、点火ツールとして使用するのが難しくなります。

さらに、ガソリンは液体自体ではなく、それが気化した場合の可燃性のために危険だと考えられています。

ガソリンが炎上するとき、それは、液体から出た気体が主な燃焼剤となっているのです。

タバコでガソリンが引火する可能性

ガソリンスタンドの外気のように、液体を封じ込めていない場合、火のついたタバコが気化したガソリンに点火することはほとんど不可能です。

そのため、たしかにガソリンの蒸気、気流、タバコの温度の変数をすべて計算するのは難しいかもしれませんが、タバコの吸殻をガソリンのたまりに投げ込んだ後に炎上する可能性は非常に低いと考えられています。

ある特定の研究では 、ガソリンと火のついたタバコが相互作用する可能性のある2,000パターンを超えるさまざまなシナリオと状況を試みましたが、ガソリンに引火することは1回もありませんでした。

ガソリンに引火しにくい理由

研究者らは、ガソリンを着火させることができなかった理由について、いくつかの予測を立てました。

まず、タバコの灰が急速に形成されるため、また、ガソリンの蒸気が自然に対流して点火領域から遠ざかり、引火を不可能にしたと推測しました。

興味深いことに、ライターの火花メカニズムにおいては、火のついたタバコよりもガソリンの蒸気に引火しやすいことが示されています。

つまり、 ガソリンのたまりを歩きながらタバコに火をつけるよりも、火のついたタバコを持ってガソリンスタンドに入った方が安全であるようです。

参照元:ignite gas