オリオン座の「リゲル」ってどんな星?

星座

夜空で7番目、オリオン座の中では最も明るい星「リゲル (Rigel) 」。冬のダイヤモンドを形成する恒星の1つです。

リゲルの青い光は、不定期に等級を変化させますが、光害のある空でも見ることができます。

太陽の20倍以上の質量があり、120,000倍以上の明るさがある巨大な星ですが、1つの超巨星であるリゲルAと、他の3つの青色主系列星からなる多重星系でもあります。

その並外れた明るさは、その巨大なサイズと強力なエネルギー生産によるものです。

以下に星座の勉強になる星座シリーズ動画より、リゲルについて、晩年の運命や北半球と南半球での見え方の違いなどをあわせて紹介します。

Rigel: The Brightest Star in Orion Constellation

リゲルのこれからの運命

リゲルは青色の超巨星で、表面温度は10,000 ケルビンを超えます。この高温により、特徴的な白と青色の光が生まれます。

実のところ、すでに恒星進化の高度な段階に達しています。つまり、中心核の水素による核融合は終わり、中心核が収縮している段階なのです。

リゲルのような巨大な星は、太陽のような小さな星よりもはるかに速く核燃料を燃やします。

この急速な燃料消費により、数百万年というとても短い寿命になってしまうのです。

すでに核内の水素やヘリウムなどの主要な燃料源を使い果たしており、より重い元素の融合を始めています。

この融合プロセスは、膨大な量のエネルギーを生成し、星の明るさを維持するため、星が自身の重力で崩壊するのを防ぎますが、それは永遠に続くわけではありません。

リゲルのような高質量星は、核燃料を使い果たすと、より爆発的な終わりを迎えると考えられています。核融合が核内で停止すると、重力によって核が急速に崩壊し始めるからです。

これにより、星の外層が激しく宇宙に放出される超新星爆発が引き起こされ、銀河全体を照らすほどはるかに明るい放射線の爆発が起こるでしょう。

星の中心部はさらに崩壊し、中性子星になるか、あるいは、ブラックホールとなる可能性があります。

リゲルってどんな星?

リゲルは、少なくとも4つの要素を含む恒星系の一部です。

リゲルAは最大の星であり、超新星(恒星進化の最終段階で大爆発を起こして輝く天体)になる可能性が最も高い星です。

リゲルBと呼ばれる二次星は、星BaとBbの両方からなる分光連星です。青い主系列の星で、Baは太陽の約3.8倍、Bbは約2.9倍の質量があります。

この2つの星は光学望遠鏡では分解(見分けること)できません。

これらは分光連星であり、星の光を分析することによってのみ検出できます。

リゲルCはリゲルB連星は、共通重心の周りを公転する三重星系を形成しています。

これらの3つの星においては、分解しにくいため、各星の個々の特性を理解することは難しいといわれています。

リゲルAは、サイズの点ではシステムで最も支配的な星ですが、実際には他の3つの星から2500au(1au=約1億5000万km)とはるかに離れているのです。

リゲルAと三重リゲルBCシステムの公転周期は24,000年と推定されています。

リゲルの見つけ方(南半球・北半球)

リゲルを見つける最も良い方法は、オリオン座を知って認識することです。

オリオン座は夜空で最も簡単に識別できる星座の1つで、北半球でも南半球でも見ることができます。

ただし、地球上のどこに住んでいるかによって、オリオン座は異なって見えることがあります。

こちらは南半球から見たオリオン座の眺めで、

こちらは北半球からの眺めです。

オリオン座は、その他にも、おおいぬ座の明るい星「シリウス」など、周りにある他の多くの星座を見つけるときにとても役立ちます。

オリオン座の中で最も明るく、青みがかった白色がリゲルです。