2024年、天文学者らは、ハッブル宇宙望遠鏡から送られた写真に興奮を隠せませんでした。
なぜなら、これまで直接的な証拠がなく、数えるほどしか例のない質量を持つ「中間質量ブラックホール」の存在が明らかになったからです。
この宇宙紙吹雪のような球は、球状星団オメガ・ケンタウリ(NGC5139)。
この画像のおかげで、科学者たちは星団の真ん中に太陽の約8000倍の質量を持つブラックホールが隠れていると確信。
通常、大きなブラックホールといえば銀河全体の中心をイメージさせるため、このような小型の星団にあるなんてまさに驚きです。
以下に、中間質量ブラックホールが存在することを証拠づけた写真について紹介します。
球状星団「オメガ・ケンタウリ」
オメガ・ケンタウリ(以下ω星団と記す)は、ケンタウルス座の方向、私たちの地球から1万7000光年離れたところにある球形に恒星が集合した星団です。
幅わずか150光年ほどの球形の中に約1000万個の星が詰まっています。
天の川銀河には球状星団が150個ほど見つかっていますが、このような超高密度の星団は、現在分かっている球状星団の中で最大だと考えられています。
中間質量ブラックホールの最初の証拠
オメガ・ケンタウリは、中間質量ブラックホールの最初の確かな証拠になりました。
天文学者はブラックホールを3つのカテゴリーに分類しています
恒星質量ブラックホール
一般的なブラックホールで、太陽の30倍以上の重い星の超新星爆発によって生まれる
超大質量ブラックホール
ほとんどの銀河の中心にあると考えられている太陽の10万倍から数百億倍におよぶ大型のブラックホール
中間質量ブラックホール
恒星質量ブラックホールのように1つの恒星の重力崩壊で起こるには質量が重すぎて、銀河中心部ほどの密度はないその2つの中間的なブラックホールで、まだメカニズムが分かっていない。
実際に、何十年もの間、天文学者らは2つの両極端なブラックホールしか実際に観測することができませんでした。
しかし、ハッブル宇宙望遠鏡による500枚の画像とそれを撮影するための20年におよぶ忍耐力のおかげで、この研究者チームはω星団のブラックホールとその周りの星の動きを追跡することで、中心部に高速で運動する7つの星を見つけ、それがブラックホールの重力で逃げ出さないことを解明しました。
つまり、目には見えないブラックホールを、その極端な重力が乱す可能性のある目に見えるものから探したのです。
そしてこれは、実はまったく新しい技術でもなければ、ハッブル特有の技術でもありません。
恒星の動きを追跡することで、天文学者たちは天の川銀河の中心にもっと大きなブラックホールがあることを証明しました。
宇宙望遠鏡による素晴らしい発見については、以下の動画で見ることができます。