新月の間、月は地球と太陽の間にあります。これが毎月起こるのなら、なぜ日食も毎月のように起きないのでしょうか?
これには、地球から見る太陽と月が、ほぼ一直線に並ぶ必要があります。
以下に、地球と太陽の間に月がある新月の間に毎月日食が起こらない理由についてみていきましょう。
月の公転軌道が約5°傾いている
月は、地球の周りを1周(公転)するのに約27.3日かかるのなら、毎月日食が見られるべきではないでしょうか。月の直径は地球の約4分の1
毎月見られない理由は、月の軌道が約5°傾いているためです。
たしかに、地球の公転軌道と、月の公転軌道が重なる、つまり、まったく同じ角度をもつなら、私たちは、年に何度も日食を見ることができるでしょう。
しかし、実際には一直線に並ぶはずの時期に月がきたとしても、この5度のずれによって月は地球の下、または、上を通過するため、太陽と地球の間の線を横切らないのです。
その場合、太陽の下、または、上の一部のみを隠したり(部分日食)、小さな影が海上や南極のような一部の領域を通過するのみとなり、私たちが見れなくなったりすることもあります。
これがほとんどの新月で影が地球に当たらない理由です。
月は軌道が楕円形
また、月は地球の約4分の1ほどの直径しかないうえ、公転軌道が楕円形であるため、月が遠すぎると地球から見て大きく見えない場合もあります。
たとえば、太陽と地球の間に一直線に並ぶ月の見かけの大きさが十分でない場合、月の影が小さすぎて太陽の光がはみだして環になる金環日食となります。
金環日食も部分日食の一つです。
このように、月の軌道が楕円形であることや公転軌道が約5°傾いているために、太陽と月と地球が一直線上に並ぶ機会は少なく、並んだとしても月の影に隠される太陽の割合や月が影を落とす地球上の領域が限られることから、皆既日食は数年に一度、月の影の軸が地球の中心に最も近づく時間にしか見られないのです。
日食が毎月起こらない理由については、以下の動画で見ることができます。