みなさんは、エイの尾の先に尾棘(びきょく)と呼ばれる毒針があるのをご存じでしょうか?
私は今までエイは、この毒針を使ってサソリのように刺すと思っていました。
サソリは、尻尾の先に鋭い先端があり、
その先端には毒を注入するための小さな穴があります。
一方で、エイの尻尾の先は硬くはなく、穴もないため、サソリのように刺すことはできません。
そもそも尻尾の先に針が無いからです。
では、エイの毒針はどこにあり、どのように毒を注入するのでしょうか?以下は、その答えをミシガン大学動物学博物館の協力によって紹介した動画です。
エイの尻尾の仕組み
このアカエイの尻尾の先を見てください。
やわらかくてしなり、穴はありません。
尻尾の先に針がない代わりに、では、アカエイの尻尾の付け根を見てください。
尻尾を横に動かすと、何かが突き出てきました。
これがアカエイの本当の針です。
尾棘(びきょく)と呼ばれ、鋭くギザギザ状で、歯は銛のように後ろを向いています。
しかし、この針は露出しておらず、皮膚の鞘に覆われてアカエイの尾の付け根に隠れています。
先端を見るとサソリの針のような穴はありません。
では、この針はどうやって毒を注入しているのでしょうか。
針を裏返すと、2つの溝があります。これらの溝には、厄介な酵素、タンパク質、その他の有害な化学物質を含む特殊な細胞があります。
これらの化学物質が体内に入ると、痛み、めまい、嘔吐、麻痺、さらには失神を経験することがあります。
つまり、これらの溝は、アカエイの毒を含む細胞で覆われているのです。
アカエイの毒針が犠牲者の肉に刺さると、針を覆っている皮膚の鞘が引き裂かれ、特殊な細胞が破れて毒が漏れ始めます。
後ろ向きの歯を思い出してください。
これらの歯は、釣針のように針が肉にしっかりと刺さり、簡単に引き抜かれないようにする役割を果たします。
こうすることで、毒が体に浸透するまで十分に注入される時間が得られるのです。
アカエイの刺す方法については、以下の動画で見ることができます。