星の色は主に温度によって決まります。
表面温度の低い星から高いものへと、赤、オレンジ、黄、白、青があります。お気づきのように、緑色や紫色に見える星はありません。
これはなぜでしょう?
それは、人間の可視光の知覚方法により、紫や緑の星は見えないからです。
以下に、緑や紫色の星がない理由について分かりやすく紹介します。
星は他の色の光も放出している
星は、ほぼ「黒体放射(こくたいほうしゃ)」だといわれ、降り注ぐ電磁波を反射しません。つまり、その星の色を決めるのは恒星表面から放射される(高熱ガスによる)熱放射だけです。
光の発光強度が最大となる波長と温度の関係を調べると、以下のようなグラフになります。
赤い星
星の表面温度が約3000ケルビン(摂氏約2700度)の場合、主にスペクトルの赤い部分の放射線を放出するため赤く見えます。
緑色の星がない理由
私たちが「緑色」と呼ぶ波長を発光のピークとする星は、可視光スペクトルのちょうど中心に位置し、それは考えられるあらゆる色の光を放出していることになります。
実際にはほぼ同じ量の赤色光も発しており、私たちの目はこの組み合わせを緑色ではなく白色として認識します。
緑色に見えるには、星が緑色と呼ばれる波長の光だけを発していなければならず、そのようような光曲線は不可能なのです。
白い星
星の表面温度が約5300ケルビン(摂氏約5000度)なら、白く見えます。
実際には、星は複数の色の組み合わせを放射していますが、私たちの脳はこの組み合わせを白として解釈しています。
太陽の表面温度は約6000℃なので、白に見えます。
しかし、地球にいる私たちは、太陽をいつもオレンジ色に見ています。
これは、大気圏に入ると色が散乱されるからです。最も散乱の少ない色は主に赤と黄色であるため、地球上では太陽は赤と黄色の組み合わせ、つまりオレンジ色に見えるのです。
実際に、宇宙空間で見ると、その本来の色である白色の太陽を見ることができます。
紫色の星も青く見える理由
はるかに高温の星もあらゆる色を放出していますが、たいていは波長の短い青い光が強く見えます。
私たちの目には、青い光に反応する特殊な細胞があるため、青い光を感知しやすく、高温の星は青っぽく見えるのです。
人間の目が青色光に敏感であるため、可視光線スペクトル上で隣り合った「紫色」の星も、人間の目には簡単には見えません。
紫色の光を発する星は青色の光も発するため、人間の目はそれを青色の光と捉えるのです。
緑色の星がない理由については、以下の動画でみることができます。