なぜ赤道付近は一年中気温が高のに、北極や南極はいつも寒いのでしょうか?
それは、地球のほぼ真ん中に位置する赤道付近と地球の端にある極地では、地球の表面の曲がり具合や地軸の傾きによって、太陽エネルギーの届く量が異なるからです。
以下に、赤道付近と極地に大きな温度差がある理由についてみていきましょう。
太陽光が当たる角度と温度
まず、赤道(緯度が低い地域)では、太陽光線が90度の角度で地面に当たります。これは、ほとんど真上から太陽があたることを意味します。
最も直射日光を受けることで、赤道付近は単位面積あたりにより多くの太陽エネルギー(熱量)が届き、暖められます。
一方で、極地(南極や北極など緯度が高い地域)では太陽光線が低い角度で(斜めから)地面に当たります。
第二に、太陽光が極地に到達するには、(赤道よりも)長い経路をたどるため、その分より多くの大気粒子にさらされることになります。
その結果、大気粒子と衝突して吸収されたり散乱されたりする光が増加し、極地に届く太陽光は少なくなるのです。
地軸の傾きと温度
第三に、地球の地軸の傾きによるものです。
地球の地軸(南極と北極を結んだ線)は、太陽の周りをまわる公転面(軌道面)に対して、垂直より約23.4度傾いています。
この地軸の傾きは、地球が太陽を周る間に極地が受ける太陽エネルギーを変化させ、極地では一年のうち何ヶ月も日光が当たらない日が続くのです。
たとえば極地が太陽の方向を向いている夏の間は、常に太陽光を受けることを意味しますが、冬になると太陽から離れる方向に傾いているため、まったく日光が当たらなくなります。(参照元:なぜ南極大陸は北極に比べて寒いのか?)
一方で、赤道付近には、年中安定して太陽エネルギーが降り注ぎます。
こうして太陽をたくさん浴びる赤道付近に比べて、光の当たらない時期が長く続く極地はさらに温度が低くなるのです。
最後に、極地の雪は太陽光の75~95%を反射します。これは、赤道付近の土地に反射する太陽光に比べるとはるかに多い値です。
つまり、極地では、太陽光は吸収されずにほとんどがはね返されてしまうのです。
そして、これらの赤道と極地の気温差は、もし地球に大気がなければさらに大きな差になるでしょう。