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「バターvs 油」料理にはどっちを使うべきか?

カリッとさせたいならバターよりも油Uncategorized

バターを使うべきか、油を使うべきか。

バターと油はキッチンでいろいろな料理に使われますが、ここでは、フライパンで調理するときにどちらを使うべきかに焦点を当てて紹介します。

まずはシンプルに目玉焼きについて。

卵だけでなくすべて他の料理にも応用できる知識なので以下はとても役立つでしょう。

結論からいうと、風味をプラスしたいか、カリッとした食感は重要か、調理するものがくっつきやすい素材かどうかによって使い分けるとよいでしょう。

バターと油を半分ずつ使うという方法もありますよ。

料理に油脂を使うメリット

そもそも油脂を使って調理するメリットはいくつかあります。

風味を加えるため、フライパンから食材に熱を伝えるため、食材がくっつかないようにするためなどが主な理由です。

バターと油はこの3つの仕事すべてにおいて違いがあり、それは基本的に両者が何でできているかに起因します。

バターと油の違い

バターも油も、そのほとんどがトリグリセリドと呼ばれるごく一般的な脂肪分子からできています。

しかし、食用油がの大半がトリグリセリドだけで構成されているのに対し、バターにはそれ以外にも多くの化合物が含まれています。

バターと油の違い

水分は、バターが十分に熱くなる前に蒸発するため、ここではそれほど重要ではありません。

バターに含まれる水分

しかし、バターにはその他に、タンパク質、糖分、酵素、そして「遊離脂肪酸(脂肪分子に結合していない脂肪の構成要素)」も含まれています。

バターに含まれる化合物

このような余分なものがあるからこそ、調理中、バターは、少なくとも植物油やキャノーラ油のような精製された食用油とは違った働きをするのです。

オリーブオイルやゴマ油のような未精製油もまた余分な化合物を含んでいるため、調理時にはバターに近い働きをします。

一方で、ギーや澄ましバター(バターから余分なものを取り除いたもの)は、実際には精製油に近い働きをします。

このことを頭に置いて話を進めましょう。

香りを加える

まず、油脂を使って調理する最初の理由からみていきましょう。

バターに含まれる余分な化合物の多くは芳香を放ち、バターやバターで調理した料理に風味を与えます

しかし、ほとんどの精製された食用油には、風味を増すほどの余分な成分は含まれていません

ただし、精製度の低い油は例外です。

もしあなたが純粋主義者で、卵本来の味をそのまま活かしたいなら、精製された食用油を使えばよいでしょう。

風味をプラスしたいならバターや精製度の低い油を使いましょう。

熱を食材に伝える役割

バターも油も、熱をフライパンから食材に伝える役割があります。

しかし、150~175℃の間は発煙点と呼ばれ、バターに含まれる余分な成分が分解されて健康に悪い可能性のある化合物や煙が発生し始めるため温度管理には注意が必要です。

発煙点

バターを使った料理をするときは、175℃以下の温度で調理することをおすすめします。

ただし、この温度は卵を焼くには十分な熱量ですが、カリッとした食感を出すには十分ではないため、カリカリに焼き上げたいのであれば、バターよりも油を選ぶことをお勧めします

カリッとさせたいならバターよりも油

食用油には、そのような付加的な成分があまり含まれていないので、もっと高温(205~265℃)にならないと分解は始まりません。

さらにこの発煙点は、油脂の種類によって異なります。

(発煙点が低い順=エキストラバージンオリーブオイル<バター<ココナッツ油、ゴマ油<ラード<キャノーラ油、牛脂<ひまわり油<大豆油、コーン油、ピーナツ油<精製オリーブオイル<紅花油)

発煙点の違い

食べ物をくっつかないようにする役割

油脂が、卵のタンパク質がフライパンの金属と化学的に結合するのを防ぐバリアを形成することで、バターも油もこびりつきのリスクを軽減します。

ただし、こびりつき予防についてはバターの方が食用油よりも優れています

こびりつきを防ぐ

卵のように、私たちが調理するほとんどの食品はほとんどが水分であり、水と油はお互いを嫌います。

そのため、熱した油に卵を入れると、卵と油はわずかに反発し合い、食材とフライパンの金属の間には油の薄いバリアしか残りません。

しかし、バターにはレシチンと呼ばれる化合物が含まれており、この化合物は親水性(水に引き寄せられる性質)と親油性(油脂に引き寄せられる性質)を持っています。

この化合物が、水っぽい卵と脂肪分の多いバターを密着させ、食材とフライパンの間に厚いバターのバリアを保ち、両者の結合を防ぐのです。

つまり、卵がくっつかないことを優先したいなら、油よりもバターの方が良い選択肢となります。

ただし、バターに含まれる飽和脂肪酸による健康上のリスクを考えると「何事もほどほどに」ということは頭に入れておきたいところです。

バターvs 油 目的別選択

結局のところ、バターか油かという問いに万能の答えがあるわけではありません。

卵料理を作るとき、あるいは他のどんなものを作るときでも、結局は何を求めているかということによって使い分けるとよいでしょう。

風味をプラスしたいですか?
カリッとした食感は重要ですか?
調理するものがくっつきやすい素材ですか?

バターと油を半分ずつ使うという方法もあります。

バターと油を混ぜても、バターの風味と滑らかさは得られるし、バターの発煙点は上がりませんが、低い温度で分解する化合物が薄まるので、バターだけよりも多少高い温度で調理することができるようになります。

バターと油の用途別使い方については以下の動画で見ることができます。

Butter vs oil
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