みなさんは、魚は冷蔵庫に入れておけば大丈夫だと思っていませんか?
残念ながら、それだけでは、魚の腐敗を防ぐ保存方法として十分だとはいえません。
実は、新鮮な魚でさえ、一般的な冷蔵庫の設定温度とされる3度から5度で一晩保存すると、品質は著しく低下するといわれています。
たしかに、一晩冷蔵庫で保存したくらいでは、食べた人の命を危険にさらすほど魚が傷むわけではありません。
しかし、刺身やマリネにして生で食べる予定なら、保存方法には十分気を付けた方がよいでしょう。
ここでは、魚(切り身、一尾)の新鮮さとおいしさを保つのに効果的な冷蔵庫での保存方法について、魚釣りで釣って帰った魚の処理法も合わせて分かりやすく紹介します。
不快な臭いや腐敗を防いで上手に冷蔵保存するには、ちょっとしたコツがあるようです。
魚の冷蔵庫での保存方法
一般的に、一尾よりも切り身の方が鮮度が落ちやすく、脂肪の少ない魚(バス、スケトウダラ、ヒラメ、カレイ、ナマズ、タラなど)は、脂肪の多い魚(マス、サーモン、ウナギ、ブリ、イワシ、アジ、サンマ、ニシン、マグロ、サバ、スズキなど)よりも冷蔵庫での持ちは良くなります。
新鮮な魚なら、0度に保つことで2、3日間はもつといわれています。
そのため、たとえ冷蔵庫の中であっても、一尾や切り身に関係なく、魚のそばや上に、アイスパックや氷を置いておくとよいでしょう。
これは、魚業者がいつもたくさんの氷を使って魚を保存している理由でもあります。
ちなみに、魚屋ではよく冷凍魚がアルミニウム素材の容器の上に並べられてますね。
これは、解凍に適しているからですが、同時に魚の熱が氷に送られることによって魚を低温に保てるというメリットも兼ね添えているのです。
さて、次は、魚を保存するときに忘れてはならないポイント「温度・湿度」についてです。
魚の腐敗を防ぐ冷蔵保存のポイント「温度・湿度」
まずは、魚を触る前に、手をきれい洗ってください。
魚を保存する環境は、できるだけ低い温度に保ちます。
魚の腐敗をできるだけ防ぐには、なによりも温度と湿度を低く保つことが大切です。
切り身でも一尾の場合でも、重ねて保存しないように注意してください。
重なった部分があると、そこに水分が閉じ込められてバクテリアが繁殖しやすい環境をつくってしまいます。
魚の保存に湿気は大敵ですが、逆に表面が乾燥しすぎるのもいけません。
冷蔵庫での保存の手順
魚は、冷たい水で洗い、決してぬるま湯や湯は使わないようにしましょう。
冷蔵庫に入れる前に、魚を入れた袋内の空気は完全に抜き、魚を空気にさらさないように密封してください。
特に、サケやサバのような脂肪分の多い魚にとって酸素は腐敗を促し、風味を損う原因となるので注意しましょう。
袋に入れた魚を冷蔵庫の中で、アイスパック(氷を入れた袋でもよい)の上に置き、さらに、上からもアイスパックを置きます。魚を氷で上下から挟むようにして、できるだけ低温に保ちます。
これを、アルミニウムトレイの上で保存すると一層効果的です。
魚の保存に適した環境
保存場所は、扉の開閉によって温度が変化しやすい冷蔵庫の手前ではなく、奥が適しています。
アイスパックが無い場合は、アルミニウムトレイの上でクラッシュアイス(砕いた氷)の袋詰めと一緒に(魚が直接氷に触れないように)保存してください。
冷蔵庫にそのまま入れておくよりは、はるかに魚の保存に適した環境がつくれるはずです。
繰り返しますが、魚を良いコンディションで保存するには、温度と湿度を低く保つことがなによりも大切です。
もし、魚を冷凍保存したい場合は、魚の鮮度が良いうちに、冷蔵保存と同じ手順で空気に触れないように密閉して保存します。
冷凍保存した魚を解凍するときは、冷蔵庫に一晩置くか、流水解凍して、できるだけ早く使い切ってください。
電子レンジの解凍機能や室温に放置したままでの解凍は、どうしても菌が繁殖しやすいため、あまりおすすめできません。
魚釣りで釣った魚の保存方法
魚釣りの場合は、24時間以内に、とはいえできるだけ早く、釣った魚からエラと内臓を取り除きます。
これは、腐敗や不快な魚臭さを防ぐのに必要な処理のひとつで、内臓を除いた腹に氷を詰めておくとさらに効果的です。
そして、保冷バッグにたくさんの氷が入った少量の水を用意して、その中に浸けておきます。
これにより、魚の表面のぬめりも出にくくなるので、調理が楽になります。排水プラグがついた保冷バッグなら、排水をスムーズに行えるのでおすすめです。
釣った魚を冷蔵庫に入れるまでは、氷をたくさん使って温度を低く保つのがポイントです。
参照元:
・the best way to store Fish in the Refrigerator
・How to Store Fresh Fish