空腹時のコーヒーがよくないといわれる理由

2017年5月10日

普段からコーヒーを飲む習慣がある人は多いようですが、

「目覚めのコーヒーは格別だ」
「朝はコーヒーしか飲まない」

という人は注意が必要かもしれません。

なぜなら、「空腹」+「コーヒー」のダブルパンチによって、胃酸や消化機能、ストレスホルモンが影響をうけて、あなたの長期的な健康に影響を及ぼす可能性があるからです。

たしかにコーヒーは、認知症予防をはじめ、気分や集中力を高めるなどいくらかの健康上のメリットをもたらすことで知られています。

しかし、それは飲むタイミングや量を適切に取り入れた場合の話で、朝の目覚めの一杯はむしろ逆効果な飲み方だと考える専門家もいるのです。

そこで、今回は、空腹時のコーヒーが体に与える影響やおすすめのコーヒーの飲み方について分かりやすく紹介します。

胃酸の問題

驚くかもしれませんが、胃酸の正体は主に塩酸です。

胃酸は、胃に入った微生物を殺菌し、適量レベルでは、食べたものを胃で消化するのに役立ちます。

しかし、胃が空っぽになると、この胃酸本来の働きがうまくいかず、胃の中でパチャパチャはねて、かえって胃の内層を傷つけてしまいます。

結果的に、消化不良や胸焼けを引き起こしてしまう可能性があるのです。

さらに、空腹の状態で追い打ちをかけるように(酸性である)コーヒーを飲むと、より多くの酸を胃に注ぎ込むことになります。

胃の酸性度が急上昇してしまうと、消化器系への負担は高まります。これは、カフェインレスコーヒー(デカフェ、ノンカフェイン)にも当てはまります

研究では、コーヒーの苦味は胃酸の生成を刺激する可能性があり、いかなる時も、多すぎる胃酸は、自身の胃や消化管に害を及ぼし得ると示されています。


結果的に、胸焼けや過敏性腸症候群(腹痛やおなかの不快感、下痢や便秘などが続く)、および、胃潰瘍などを引き起こすおそれがあるのです。

胃酸対策

もしあなたが、朝の目覚めにコーヒーを飲んだ後、胃の不調を感じるようなら、胃の酸性度を和らげるために、カルシウムが豊富な食品(ヨーグルトやアーモンド、ほうれん草、ケール、チアシードなど)の朝食を食べることをおすすめします。

また、ホットコーヒーよりアイスコーヒーの方が、酸の影響が出にくいともいわれています。

消化機能の低下

空腹の胃にカフェインが入ると、消化システムが乱れ、おなかのハリ(腹部膨満感)や過敏性腸症候群などが引き起こされやすくなります。

なぜなら、体内に取り込まれたカフェインが、まるで副腎のように働き、コルチゾールやアドレナリンといったストレスホルモンの分泌を促してしまうからです。

コルチゾールは副腎によって生成され、代謝、血圧、血糖値の調節を助けます。しかし、過剰なレベルが続くと、血圧や心拍数を高める可能性があります。

すると、肝臓は、筋肉にエネルギーを与えるために、血糖値を上昇させはじめます。

古代人は、このストレスホルモンが引き起こす闘争・逃走反応によって敵から身を守ってきましたが、コルチゾールの分泌が習慣的に上昇し続けた場合、長い目でみると集中力の問題や不安感、心疾患など健康上の問題が生じるおそれがあります。

一方で、腸は、エネルギーを使わないように運動を抑制するので、食べ物の消化吸収が適切に行われにくくなるのです。

その結果、胃腸の消化能力は低下してしまいます。

イライラや不安感が増して集中力が低下

朝の空腹時は、セロトニンを分解する脳の力が低下しています。

セロトニンは、不安感や気分の低下を防ぎ、精神の安定を維持することから「幸福ホルモン」と呼ばれています。

そのため、脳内でこのホルモンが適切に分解されないと、不安やうつ病を引き起こしやすくなります。

空腹なうえで、さらにコーヒーを飲んでしまうと、体内のコルチゾールやアドレナリンといったストレスホルモンの分泌量が増加し、不安や精神的な緊張状態を生みやすくなってしまうのです。

朝の覚醒を妨げる

一般的に、コルチゾールのレベルは、体を目覚めさせるために起床後にピークに達し、日中低下し、睡眠の初期段階で再びピークになると考えられています。

目覚めた直後は、なんと50%も増量。

しかし、すでにコルチゾールレベルが高い朝に空腹でコーヒーを飲むと、このホルモンの分泌がスムーズに行われず、概日リズムが妨害されてしまう可能性があります。

仮に、コルチゾールが高い朝にも関わらず、コーヒーを飲まないと脳や身体がシャキッとしないのであれば、自然な目覚めのメカニズムがすでに失われているのかもしれません(睡眠不足や水分不足をのぞく)。

概日リズムが乱れると、夜になってコルチゾールが分泌されることもあるので、起床後1時間はコーヒーを飲むのを控えるべきだとする科学者もいます。

脱水症状を引き起こしやすくなる

カフェインには利尿作用があります。

一般的に、適切な水分補給が行われていれば、カフェインを摂取しても体液や電解質バランスにはあまり影響を与えません。

しかし、空腹時にコーヒーを飲むと、体内の水分が失われやすくなるため、脱水状態を引き起こす可能性があります。

そこへ、のどが渇いたからと水ではなく、さらにコーヒーを飲むと、状況は悪化の一途をたどることに。

セロトニンレベルが低下して睡眠に影響

今まで、「コーヒーを飲んで食欲が低下した」という経験はありませんか?

実際に、コーヒーに含まれるカフェインには、食欲を抑制する作用があるといわれています。

しかし、だからといって、朝食を抜いてコーヒーだけですませてしまうと、幸福感や穏やかさを生む神経伝達物質「セロトニン」を生成する力を弱める可能性があります。

セロトニンは、質の良い夜の睡眠のために非常に重要な物質で、体内では、夜になるとセロトニンをメラトニンに変えて睡眠を促しています。

メラトニンの減少は、結果的に不眠症の問題を引き起こしやすくします。

最後に

上記の「空腹でコーヒー説」は、説得力のある話ですが、一方で、有害であることを示した科学的証拠はまだ十分ではありません。

そのため、症状を確認しながらコーヒーを飲むタイミングや量などを調整してみることをおすすめします。

ちなみに、専門家のアドバイスでは、コーヒーを飲むのに理想的なのはコルチゾールレベルが低い時間帯で、午前9時半から正午の間、または、13時から17時半までです。

このように、コーヒーは、取り入れ方でメリットになることもあればデメリットにもなり得ます

メリットを最大限に活用すると、脳を覚醒させ、仕事や勉強のエネルギー効率を上げることができますが、飲みすぎるとカフェインへの耐性ができてしまい、かえってメリットが得られなくなるので、この機会にぜひコーヒーを飲む習慣を見直してみてください。