お酒を飲むとトイレが異常に近くなる3つの理由。回数を減らすヒントとは?

2017年10月24日

今回は、「お酒を飲むとトイレが近くなって困る」という悩みを持っている人に役立つ話です。

これは、お酒の席でよく耳にする悩みのひとつですが、

それもそのはず、お酒を飲むと、アルコール成分による利尿作用に加えて、水分摂取量も増え、それがダブルパンチで膀胱を刺激するからです。

しかし、一度トイレに行くと、すっきりするどころか、その後は封を切ったように数分おきに行きたくなってしまうという異常なトイレの近さを経験することもあります。

英語では、これを「break the seal(再封印できないシール)」といい、一種の都市伝説のように用いられるほどです。

果たしてこの厄介な現象には、科学的な理由が隠されているのでしょうか?

それとも、これは単なる都市伝説に過ぎないのでしょうか?

それでは、一度トイレに立ってしまうと最後、そこからは立て続けにトイレに行きたくなる理由について、科学的な視点で分かりやすく紹介していきます。

どうやら、英語でbreak(壊す)と表現されるように、お酒を飲むと膀胱がマヒしたり、機能が壊れたりするというわけではないようです。

専門家は、それはよりも精神的な影響の方が強いと信じています。

飲酒量がトイレの回数に与える影響

人にはそれぞれ、排尿システムにおける基本的な尿の保有量があります。

お酒を飲む場合、飲酒量が多いほど新しい尿がたくさん作られていきます。

つまり、お酒を飲み始めて、まず最初に出されるのは古い尿ですが、飲むペースが速いほど、新しい尿がつぎつぎと作られて膀胱を短時間で満たしていきます

そして、膀胱が急速に充満すると、膀胱壁の一​​部である排尿筋に圧力がかかり、おしっこをしたくなるのです。

一般的に、膀胱の水分保有量の平均は、およそ2カップだといわれ、膀胱がどれだけ速く満タンになるかは、その人がどれだけお酒を飲んだかによります。

たとえば、ウィスキーをショットグラスで飲むよりも、ビールをグラス1杯飲む方が膀胱は早く満たされて、それだけトイレに行く回数が増えるというわけです。

アルコールの利尿作用による影響

アルコールに利尿作用があるのは事実です。

利尿作用とは、通常よりも尿を増加させ、体の水分をより多く失わせようとする働きを意味します。

私たちの脳は、バソプレシンと呼ばれるホルモンを産生しています。

これは、抗利尿ホルモン(ADH)とも呼ばれ、人が脱水状態になるときに、腎臓に働きかけて、利尿を抑え、体内に水分の吸収を促すことで知られています。

たとえば、眠っているときの体は、バソプレシンを生成することで、夜中にトイレで目が覚めるのを防ぎます。

しかし、2010年の研究によって、アルコールが、バソプレシンの正常な分泌をブロックすることが分かりました。

分泌が減少すると、体が、実際よりも体内水分量が多いと勘違いしてしまい、通常よりももっと水分を排出しようと働くのです。

これについて、グリックマン泌尿器科および腎臓研究所の泌尿器科医であるコートニー・ムーア博士は次のようにいいます。

飲酒が始まると、アルコールは、バソプレシン(抗利尿ホルモン)を低下させ、水分を産生します。あなたは、飲酒によって体液を増やします。これらが組み合わさると排尿への切迫感が生まれるのは当然です。

そして、膀胱が満たされると、バソプレシンはさらに抑制されるという悪循環を繰り返します。

このとき、余分に排出された尿は、摂取したアルコールだけでなく、体液の貯留から生じたものです。

これによって、貯留された体液が減少すると、アルコールによる脱水症状が引き起こされて、二日酔いの原因にもなります。

最初のトイレタイム後から、おしっこを我慢できなくなる理由

一般的に、水分を摂取するとトイレに行きたくなるのは生理的現象のひとつです。

しかし、研究によって下記のことが新たに分かってきました。

お酒を飲んだ場合、最初のトイレタイムで排尿したときに、脳が爽快感を覚え、その後は、脳から5分や20分おきなど立て続けに排尿を促すような催促が起こります。

そうなると、人は「トイレに行かなければならない」と衝動的に感じるようになるというわけです。

トイレへ行くのを我慢してもいい?

お酒を飲んでいるにも関わらず、トイレを我慢し続けると、尿路感染症(にょうろかんせんしょう)のリスクを高めます。

さらに、膀胱から排尿のタイミングを知らせる脳への接続に影響を与えたり、尿漏れを防いでいる括約筋を損傷したりする可能性もあります。

・詳しくは【警告】トイレに行くのを我慢してはいけない理由・公衆トイレで雑菌から身を守る方法を参照。

お酒の席でトイレの回数を管理するためのヒント

お酒を飲むと、トイレに行きたくなるのは自然の摂理で、それを防ぐために私たちができることはありません。

何度もトイレに駆け込まないための最善策は、飲む量を制限することだけです。

適度に飲むことは、飲みすぎや二日酔いを防ぐだけでなく、腎臓の機能を適切に維持し続けるためにも重要なのです。

以下に、トイレの回数を管理するのに役立つお酒の選び方について、National Association for Continenceを参考に、膀胱を刺激しやすいので避けた方がよいお酒を紹介しておきます。

  • コーラやエナジードリンク、コーヒー、チョコレートなどカフェインを含むお酒
  • 糖類の高いもの、炭酸系
  • トマト、シトラス系の利尿作用があるもので割ったお酒

また、カクテルよりも、ワインなどお酒に含まれる純アルコール量が少ない飲み物を選ぶのもポイントです。

厚生労働省が示す節度ある適度な飲酒量を純アルコール量で考えると20gなので、それをもとに目安の摂取量をお酒の種類別に見ると以下となります。

  • ビール(5%)で500ml 中瓶1本、ロング缶1缶
  • ワイン(12%)で約200ml
  • 日本酒(15度)で約1合(180ml)
  • ウイスキー(40%)で約60ml(ダブル1杯)
  • 焼酎(25度)で約100ml
  • チューハイ(9%)で280ml、7%で350ml

まとめ

お酒を飲むと、アルコールによる利尿作用と、短時間に行われる大量の水分摂取がともに組み合わさって膀胱を刺激し、排尿に直接的な影響を与えていきます。

それによって、尿の回数が増えるかもしれませんが、実際にお酒の水分で膀胱が満タンになるのも速くなっているので、トイレは決して我慢しないでください。

また、トイレを我慢したくないからといって、水分を減らすのもいけません。脱水症や二日酔いを防ぐためにも、お酒を飲むときは、定期的に水分摂取するように心がけてください。